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「痛いから，すぐ診て欲しい！」
こんな急患さんが，時々やってくる．
偶然，予約が空いていたら診る事が出来るが，空いていなければ，診る事が出来る時間に案内する．
予約通りに，きちんと来院して下さる方を，しっかり診ていく．
開業時から，このスタンスでやっている．
もちろん，小児の外傷だけは例外です．
昨日，約５年前に，一度だけ来院歴がある方が，
「痛いから，すぐ診て欲しい！」
とやってきた．
少し待って頂いたら，診れる時間があったので，案内する．
何処が痛いか解らないと言われるので，パノラマレントゲン撮影で，確認すると，驚く事実が判明
５年前と大きく口腔内の状況が変わっている．
前歯は，上下共に，ほとんど天然歯だったのに，全て抜髄されている上に，右から，左に全てつながれている．
下の臼歯部は，ほとんどなかったものの，上は残っていたのだが，それも全て抜髄され，連冠に．
覚えがある治療法なので，恐る恐る聞いてみると，やはり，
「泊まりで，２，３日で治した！２年前に．」
ウチに，同じ様な治療をされている方が何人も来院している．
再治療で介入する場合，２，３日の何十倍もの時間がかかるし，お金もかかる．
今回も，丁寧にお話しを進めた．
「数年前に起こったマンションの耐震強度問題覚えておられますか？全く同じ状況が，あなたのお口の中で起こっています．
基礎工事からやり直しをしなくてはいけなくなり，下手すると，抜歯という事になりかねない歯もあります．
上下左右の微妙なバランスで保たれているのが歯で，それが完全に崩れています．」
と話をすると，
「とにかく痛いのを取って欲しい！」
の１点ばり．
「痛いのは，化膿している部分に効くように抗生剤の投与と，鎮痛剤を併用して飲んで頂く事で，一時的に取れます．しかし，その後が大変です．．．」
このように痛みがあったら歯医者に行くという感覚の方は，痛みが取れると来院しない場合が，かなり高い．
そのような方のニーズを捕らえて，宿泊付きで，一気に治療する歯科医院が，これだけ進歩した時代でも存続しているのは，一理ある．
それは，患者さんだけに責任がある訳でなく，僕ら歯科医が，何か起こってから治療するというサイクルで診療してきたからだと思う．
僕は，開業時から一貫して言い続けている事がある．
痛くない時に，歯科医院に通って欲しい
と．
定期的に診せてもらっておけば，未然に防げる事が多々ある．
また，咬合は，加齢と共に，必ず変化するので，それに合わせ，咬合調整も必ず必要になる．
全顎的に補綴を触った場合は，尚更で，補綴が入ってからが，大切と患者さんには伝えている．
僕のブログに何回も登場している，大野純一先生の著書，
では、予防歯科の話をしようか/大野 純一
￥2,730
Amazon.co.jp
にも出ている．
マーロウ先生の一言，
歯科臨床では治療が“守備”で，予防が“攻撃”だと思う
“予防”は余裕がないとできないものだ
僕のブログは，同業の方も多数読んでくれていますが，一般の方も多数読んでくれています．
その方達にアドバイスですが，歯科を選ぶ場合，
余裕がある歯科医院を選んで下さい
予約をしていても，何時間も待たされる歯科医院は...
説明もなく，どんどん治療を進める歯科医院は...
治療が終わり，痛くなってから来て下さいという歯科医院は...
歯科医師の方へ．
来月，７月最後の日曜日３１日に，僕が西の端の小さな島で，実際に取り組んでいる予防の話を名古屋でします．
お時間がある方で，直接詳しく聞いてみたいと思われた方は，
コチラまで
本日も皆様と共に，良い一日でありますように
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