オリンパスペンE-P5引退 | 山と料理と猫、そしてクラカメな日々の備忘録

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山登りを通じて、日々の山行き、お料理、猫のポン王子、そしてクラシックカメラの記録を綴っていきます。

2013年7月に購入をして、7年弱使用してきたデジタルカメラ「オリンパスペンE-P5」。

とうとう現役を引退する日がやってきました。

 

 

ブログを始めたのが2013年10月。

そもそも本ブログを始めたのも、このカメラを購入して、日々の記録、山の記録を思い出に掲載したかったからです。

そういう意味では、このオリンパスペンE-P5は、本ブログにとっても、重要な役割を果たしました。

 

2013年当時、マイクロフォーサーズ規格はオリンパスとパナソニックが共同で開発をしていて、いずれ普遍的な規格へと成長するものと期待されました。

ところがいまやこの規格は「特殊規格」となっています。

レンズも、確かに望遠画角については豊富に取り付け可能。

フルサイズのレンズであれば、焦点距離が2倍となるため、望遠には困らない。

しかしながら、広角側の画角が非常に乏しいということが使っているうちにわかりました。

広角レンズは確かにオリンパスの純正広角レンズがあるのですが、いかんせんとても高価。

しかも、サードパーティーの広角レンズもそれなりに良いお値段。

そうしたこともあり、レンズ交換式のミラーレス一眼にもかかわらず、もっぱら標準レンズのM.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8ばかり使用していました。たまにM.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8を使用していましたが、フルサイズで90㎜画角相当の中望遠レンズは、遠くの山を撮影するにも中途半端で、しかしだからと云って、例えばタムキューのようなマクロ機能があるわけでもなく、描写は非常に素晴らしかったのですが、いかんせん持て余し気味なレンズでした。

 

 

子安にあるペンギンカメラでエレフォトのレンズマウントアダプターを購入して、ニッコールレンズを使ってみたこともありました。

しかしながら、どれも望遠レンズとなり(当たり前ですがw)、最初の頃こそ面白がっていたものの、そのうち飽きてしまいました。

 

結局、レンズ交換式ミラーレス一眼にもかかわらず、レンズ交換式の恩恵にあずかることは稀でした。

尤も、フイルムカメラ、わけてもニコンnewFM2の復活から、ニコンF2、ニコンF………と充実していき、デジタル主流となった今、FマウントMFレンズの相場暴落も手伝って、ニコンFマウントMFレンズで、ほとんどの画角を揃えてしまったのです。

ニコンのフイルム一眼レフでシステム化してしまった都合、いまさら高価なオリンパスのデジタルズイコーレンズに食指が伸びなかったという事情もあります。


その他、オリンパスペンE-P5で売りとなっている、付属機能のアートフィルター機能も、最初の頃こそ面白がって使っていましたが、そのうちこちらも飽きてしまいました。

 

 

こんな描写が最初はなんだか新鮮に感じていたのですよ(苦笑)

しかし、そのうちこれも飽きたのです。

 

それと、動画機能、これもほとんど使わなかったです。

いろいろな機能があるのは便利なのかもしれませんが、わたしにとっては要らない機能もそれなりにあったな。

 

けれども、ズイコーレンズの描写はとても素晴らしかったです。

 

 

こちらは2018年8月16日の記事より「涸沢カールの星空」。

 

こんな写真が撮れたのはデジタルカメラならではですね。

 

毎日の食卓記録に山行きに、日常のスナップに、大変重宝させていただきました。

 

 

けれども、今年に入ってから、シャッター機構の不調が目立ち始めました。

ついには画面5分の1ほどが真っ黒に。

 

 

メーカーに修理に出したものの、残念ながら製造終了のため「修理不能」。

たった7年弱でもう修理不能って、なんだか残念です。

 

 

グリップのゴムもこの通り、ペロッと剥けてしまいました。

これも修理不能との由。

 

 

メーカーからの回答は「お客様のカメラは残念ながら修理不能です。そのため、オリンパスペンE-PL8に買い替えをご提案しますが、いかがでしょうか。」と云うことでした。

※画像はお借りいたしました。

 

■以下、あくまでも個人的な主観です。ご容赦くださいませ。

 

オリンパスペンE-PL8は、オリンパスペンE-P5と同じ性能ということだそうですが、このデザインはあまり好みではありません。

なんていうか、変にクラシカルな方向に振っていて、変に「甘いデザイン」なんですよね。

同じことが、オリンパスペン-Fにも感じます。

 

 

※画像はお借りしました。

 

 

 

 

※画像はお借りしました。

 

このペン-Fも、軍艦部のデザインがなんというか、幼い。

丸を多用するのは結構だが、なんとも子供っぽさを感じてしまうのです。

おそらくバルナックライカへのオマージュのつもりなのかもしれませんが、バルナックライカを実際に使用した方がデザインしたとは到底思えないのです。クラシックカメラを実際に使用したことのない方が、「クラシックカメラとはこのようなもの」というバイアスのもとでデザインされたような製品に思われてなりません。

この幼さは挙げたらきりがありませんが、例えばセルフタイマーが本来つくであろうボディ前面部にアートフィルターのダイヤルが付いているのも、気に入りません。

どうして最近のデザインとは、「さりげなさ」がスポイルされてしまうのでしょうか。

クルマでも、どうしてエンブレムが大きいのか、グリルが異様に大きいのか。

まるでお子様の乗り物みたいに幼くて、いわゆる「オラオラ系」と云うデザインも、子供っぽさを感じてしまうのです。

 

まあ、そうは言っても、ズイコーレンズの描写はとても良いし、オリンパスペンE-P5は本当に素晴らしいカメラであったことは間違いありません。

オリンパスペンE-P5のデザインも、当時販売していたデジタルカメラの中では、飛びぬけてモダン・クラシックな小慣れたデザインで、ロゴマークも洒落ていました。

ただ惜しむらくは、軍艦部の表示がプリントであり、刻印ではなかったこと。

使っているうちに、かすれて見えなくなってしまうのです。

そして、それがいかにも「使い捨て」であることを暴露しているようで、なんともやるせない気持ちになりました。

 

いずれにしてもマイクロフォーサーズというフォーマットは、レンズの汎用性、拡張性、その後の後継機種の方向性などを鑑みると、まことに残念ながらわたしにとっては難しい選択だと言わざるを得ない。

そうしたわけで、いろいろな観点から考えると、次に使うデジタルカメラとしてはマイクロフォーサーズ機の選択は難しくなりました。

 

こうした経緯により、今般オリンパスペンE-P5は現役を引退することになりました。

わたしにとっては初めての本格的なデジタルカメラでした。

とても多機能・高性能なカメラでした。

そのおかげで、すべての機能を理解するまで随分と時間がかかりました。

ニコンnewFM2が復活したことにより、かえって、今のデジタルカメラの機能への理解が加速度的に早まったことは、何とも皮肉でした。

フイルムのマニュアルカメラを復習すると、逆にデジタルカメラの内容を理解しやすくなることがわかりました。

 

いずれにしても今までありがとう!…と云いたい。

わたしが写真をふたたびまなざすきっかけを作ってくれたカメラ、ブログを始めるきっかけを作ってくれたカメラ、そして毎日のさりげない日常を記録してくれたカメラ、オリンパスペンE-P5。

短い間でしたが、休むことなく良く頑張ってくれました。

ありがとうございました。

 

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J.S.Bach「パルティータ 第4番 ニ長調 BWV 828」より「クーラント以降」。

 

グレン・グールドのピアノ演奏にて。

 

今日も一日、お気持ちやすらかに…。