本年度最初の推手教室で、站樁功・套路・推手と板書して、
「太極拳を学ぶ上で、これらは三位一体でどれを疎かにしても、
偏った内容になってしまいます。 と、ずうーと言い続けて来ま
したが、最近になってこれらは全て一緒の事なんだと気付きまし
た。」ということを言いました。
站樁功の内、停まったまま行う無極站樁功を預備勢の姿として
学んでもらっていました。 具体的には次の四つの事をチェック
してもらってきました。
①膻中のツボを下げる。
②肩関節を拡げる。
③お腹を寛げる。
④足首を緩める。
そのうちの②肩関節に関して最近は、腕と脚が背中にある勁源
のツボから伸ばすんだと言うことを意識することも加味してもら
っています。
この四つのことを一瞬にして獲得する方法として、大き~く溜
め息を吐くことも伝えています。
この姿を身に付ければ
虚領頂勁
含胸抜背
沈肩垂肘
これらの四文字熟語の身体が実現します。
さらに
○鬆が得られる。
○背中と腕が繫がり、掤勁が備わる。
○百会と湧泉が垂線で繫がり、湧泉に脚底下が得られる。
○円襠が得られます。
この状態で、動きを入れます。 太極站樁功が出来ます。
さらに、太極站樁功の状態から腕を左右に拡げたり閉じたりす
ると開合站樁功、腕を上下すると昇降站樁功、左右の手揮琵琶を
すると虚実站樁功になります。
これを連続して行えば、それはつまり套路を打っているのに他
なりません。 套路そのものです。
つまり套路とは、起勢站樁功、左右野馬分鬃站樁功、白鶴亮翅
站樁功ーーーーーと言うように、これらの站樁功を連続して繫げ
たものが套路だと言うことが分かります。
この一人で套路を打っている人に対して、他の人が関与してい
くと推手になります。
停まっていれば站樁功ですが、一人で動きが入れば套路、二人
で動けば推手と言うことです。
先にアップしました「Pushing Hannds Solo Drills」(202
2.11.09)で、一人推手の動画のことを書きました。 王
培生先生がみごとな動きを見せてくれています。 一人推手=套
路だと言うことが証明される動画です。
これも先にアップした「太極拳打架1万本」(2015.0
1.23)で、銭育才老師の「太極拳の套路を1000本打てば
一つの勁力が授かる。」の言葉から、数多く套路を打ってきた私
に対して、知り合いの上海人F氏に言わせれば、「たーさん、そ
れは騙されているんですよ、数多くやってもダメですよ!!」と
言われ、同行していた奈良のKBさんからも、「套路一本やるよ
りも、タントウ功を練る方が勁力がつきますよ!!」と散々でし
た。 と、あります。 私も含め当時のF氏や、KBさんも站樁
功・套路・推手の関係が、よく分かっていなかったことが、伺わ
れます。
本年度最初の推手教室では、一人が套路を打って起勢や左右野
馬分鬃の時に相方が阻止をして、それを勁力で打破する事を試し
てもらいました。 いままでしたことがなかったので、目新しく
もあってか概ね好評でした。
皆さんの套路の表演や、推手の打架に少しでも寄与すれば良い
なあと思いました。