ちょっと前に地上波にテスタさんとかエミンさんが出ていたんですよね。
そこで、株を買う際に、何が起きるとどうなるか?の連想ゲームをして上がる銘柄を探すみたいな解説をしていました。
これ、たぶん、株の初心者が見ると確実に間違うやつです。
多くの人が新NISAの導入とともに、老後に向けた長期の資産形成との名目で投資を始めたのではないでしょうか?
であれば、今流行っている商品、今品切れの商品やそれを製造している企業を探しても意味はないのです。

短期のトレーダーの連想ゲーム
分かりやすい例を上げましょう。
東京オリンピックのキャラクターが大人気になったとします。
そのキャラクターのぬいぐるみを作成している会社の製造が全く追いつかなくてどこに行っても品切れ。
もしかすると、それを理由に明日、その企業の株価は上がるかもしれません。
しかし、東京オリンピックが終わった後、そのぬいぐるみはどうなるでしょうか?その企業はどうなるでしょうか?
その商品の一本足打法では、ブームが過ぎたら売り上げもなくなります。
一時的に株価が上がったとしても、それが継続できるかはわかりません。
ブームが過ぎた後には、株価は元に戻ったり、ブーム前よりも下がってしまう可能性だってあります。
明日上がるかもしれないから今日買って、明日上がったらすぐに売り抜けるトレーダーなら、こういう企業を買うのはアリです。
しかしこれは人気を先回りして、他人が気づく前に株を買い、他人が気づいて株価が上がったころには逆に売り抜けるという行動が必要になるので、テレビでやってるような簡単な話ではありません。
こういう売買をして大金を設けている人がいるというのを、知識として身に着けるのは大変結構ですが、誰でも出来るわけではないので、こういう放送を民放の地上波でさらっと流してしまうと、ミスリードになってしまうのではないかととても心配です。

長期投資家の連想ゲーム
では、連想をすること自体が間違っているか?
というと、そうではありません。
長期投資の観点で見た場合、その事業、その商品、その業種が、長期的な需要があるのかどうかが大事です。
10年後、20年後も需要が伸び続けていく技術や商品なら、買い持ちしておくことで、株価は長期に伸び続ける可能性があります。
そして長期潮流に乗れるような事業の場合でも、その企業には参入障壁を築けているかが大事です。
技術や商品の需要が伸びても、新規参入の企業や、コストの安い新興国の会社にシェアを奪われるようでは生き残れませんから、他社が真似したくても出来ないような高い参入障壁を持った企業かどうかが大事なのです。
というのを考えると、この条件を満たすのは多くの場合、新興の中小企業ではなく、創業何十年で、何年連続で業界1位、企業規模は大型、という企業になってくるはずです。
どうでしょう?
実は、同じ連蔵ゲームだとしても、短期投資の連想ゲームとは買う銘柄は被らないですよね?

初心者が間違いやすい点
こう見ていくと、テレビでやっていたような、中小の新興企業に狙いを定めて一本釣りしようとしても、それで長期保有でうまくいく可能性は実は高くありません。
しかし、どうしても初心者はそういった、まだ株価が上がっていない企業を一本釣りしてしまおうと考えがちです。
それをやってしまうと、まだ生き残れるかもわからない生まれたての企業と一蓮托生になってしまいます。
さらに、連想ゲームを行う際にも、今目の前にある事象からテーマを探してしまいがちで、そのテーマが長期に続くのか?という最も大事なところを見逃しがちです。
ですから、コアの投資は、実績と規模と技術のある大企業へ行い、サテライトで宝くじを買うくらいのつもりで中小企業を、資金の一部のみまわす。
位の投資をすべきと思います。
勿論このやり方で、短期で億り人になるのは難しいです。
しかしそもそも、誰でも簡単に短期で億り人になんてなれるわけがないんです。
投資を始めたきっかけが、もし、「老後資金の形成のための長期投資」だったのであれば、もう一度初心に立ち返ってみましょう。
