投資信託の銘柄分散 | グデーリアンの投資ブログ

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トレードではなく資産運用の観点での投資ブログ。
銘柄選びや運用成績だけでなく投資に対する考え方や自分の失敗、成功談なども踏まえてお話しできればいいなと思っています。

以前オルカンの種類について解説しましたが、その中で投信の銘柄で分散投資する方法について少し述べました↓

【オルカン】ご存じですか?実は複数あるオルカンのベンチマーク【騰落率】 | グデーリアンの投資ブログ (ameblo.jp)

 

ちょっとそれについて、具体的な例を考えてみようかと思います。

 

 

 

 

 

 

  本来のオルカンと積み立て投資の意義

 

本家のオルカンは、世界中の国へ時価総額加重平均で投資をします。

もし、米国企業が業績を今以上に伸ばせば、今以上に米国株の比率を上げるリバランスを定期的に行ってくれます。

同様に米国経済が没落すれば、米国株の比率を下げるリバランスを行い、常に世界の市場に連動した比率を維持します。

 

この機能がオルカンの最大のメリットで、S&P500ではなくオルカンを選択するのは、この機能を選択してるのと同義です。

(S&P500も時価総額加重平均なので、米国500社の中で同様のリバランスは行います)

 

次に、長期積立投資を行った時に実際に米国株が下落した時のことを考えます。

 

仮に、今後5年、米国株が低迷しそうだとします。

この時オルカンは、米国株の保有割合を減らしますが、長期で見た場合には、むしろ米国株を増やしたいケースもあると思います。

 

例えば5年以上の長期で見れば、米国株は復活する見通しであれば、株価が下がっている5年間、むしろ米国株を安く多く、逆張りで仕込むことでそれ以降の株価上昇の恩恵をより受けることが出来ます。

もしまだ20歳の投資家であれば、米国の5年の低迷があったとしても、予想を上回って15年低迷したとしても、取り崩すフェーズ、定年後までにはまだ後40年あるのですから、下落している間に投資比率を上げれば、16年目以降の米国株の成長をより取れることになるでしょう。

 

いっぽう、現在58歳の投資家で、後2年後にはリタイアして資金を取り崩すことを考えているのであれば、まずは債権の割合を増やすのが定石です。

そして残った株についても、5年後の米国株の復活を期待して米国への投資割合を増やしている間に、買値よりも下落した米国株を取り崩さなくてはいけなくなるので、米国株の割合は減らして、米国を除いた世界株の割合を増やすほうが理にかなっています。

 

 

 

 

 

 

  「○○を除く」商品の活用

一般的には優れたアーキテクチャと言われている時価総額加重平均のインデックスですが、上記のように自身の年齢などを考えた場合、投資フェーズによっては必ずしもマッチしていないこともあります。

 

そこで、機動的な運用をしたい場合に

 

オルカンの亜種である

・楽天-楽天・全世界株式(除く米国)インデックス・ファンド

・三菱UFJ-eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

 

のような、特定の国を除外した商品を活用する方法があります。

 

例えば以下のような方法です。

 

まず、

 

S&P500や全米株式の投信を60%

オルカン(米国除く)の投信を40%

 

で、ポートフォリオをざっくり組めば、一旦は本家のオルカンと同じ構成比になります。

 

何事も無い間は、この構成比で淡々と積み立てておきます。

 

そしていつか何か、米国に対して強気の材料や弱気の材料が出た場合には、この構成比を、そのタイミングで自分の置かれている立場に沿って割合変更が出来ます。

 

資産運用会社のブラックロックやヴァンガードなどが、各国マーケットの長期の予想をしていたりするので、それらを参考にするのもいいかもしれません。

 

いずれにしても、中級者以上の運用方針にはなりますが、最初からこの構成で疑似オルカンでの運用をしておけば、構成を変えたい時が来た時に、いつでも変更できますし、その時が来なければオルカンと同様の運用をし続けることもできます。

 

また、米国派とオルカン派、どちらがいいのかの論争はずーっと続くでしょうから、その時の意見に流されそうな人は、この疑似オルカンでどっちも持つ状態にしておき、米国派に心が揺らいだら、試しに米国の積立比率を上げてみるとかしていけば、メンタルを落ち着かせるなんてことにも使えます。

 

 

 

 

 

 

  効果の薄い分散

 

逆に、オルカンに限った話ではないですが、分散の意味があまりない商品選択をされているケースも時々見られます。

 

・三菱UFJ-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

・日興-Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)

 

この二つに分散してます!

みたいなのですね。

 

上記はどちらもMSCI ACWIという、同じ指数をベンチマークにしているので、分散になっていません。

リターンもほとんど変わりません。

 

恐らく

 

「もし運用会社が倒産してしまったら?」

 

みたいなことを想定してのリスク分散と考えているのかな?と想像しますが、投資信託は運用会社と資金の管理会社(信託銀行)が別になっており、どちらかが破綻しても資金は保護されることになっています。

運用会社が破綻した場合には繰上げ償還になるかとは思いますが、それ以上のデメリットは無いので、倒産を想定して分散するのはあまり意味がないのではと思います。

 

もちろん、上記の二つをパラで買うデメリットも差し当たってないのですが、せっかく分散投資を意識しているのなら、意味のある分散をしたほうがいいですよね。

 

一方で、オルカンとS&P、DOWなどを同時に買うと、内容は重複しますが、これらをパラで買うというのは良いのではと僕は思います。

 

オルカンを一つ買えば、S&Pの構成銘柄もDOWの構成銘柄も全部入ってはいるのですが、先述のようにオルカンがいいのか米国がいいのか論争は、きっとこの先もずーっと続きます。

 

その都度、その時々の色んな記事やネット動画を見て悩んで時間をかけるくらいなら、どっちも持っておけば悩むこともないし、気持ちが傾くなら傾いたほうの比率を増やせば気がまぎれます。

 

時間をかけて悩まずに、まるっと買ってしまいましょう、がインデックス投資なんですから、もう悩むくらいなら3指数全部買っちゃいましょう。

 

    

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