【オルカン】ご存じですか?実は複数あるオルカンのベンチマーク【騰落率】 | グデーリアンの投資ブログ

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銘柄選びや運用成績だけでなく投資に対する考え方や自分の失敗、成功談なども踏まえてお話しできればいいなと思っています。

新NISA開始以降、絶賛大人気のオルカン。

 

でも、実はオルカンってベンチマークが複数あるのをご存じですか?

 

ベンチマークが違う分だけ、投資対象もリターンも、ちょっと違うんですよ?

 

これについてちょっと解説。

 

 

 

 

 

 

  オルカンとは

 

オルカン⇒オールカントリー⇒全世界株のことです。

ベンチマークとしては

 

「MSCI ACWI(All Country Word Index)」

 

というもので、格付け会社のMSCI(モルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル)が算出しているACWI(オールカントリーワールドインデックス)がもとになっています。

 

ACWIは世界中の国の、大型~中型の約3000社にを対象としたインデックスとなっていて、世界中の企業の時価総額の85%をカバーしています。

 

格付け会社ではS&P(スタンダード&プアーズ)社が、S&P500という指数で有名ですが、このような会社は他にもたくさんあり、そのなかに英国にFTSEという会社があります。

 

実はこの会社の算出している

 

「FTSE GACI(Global All Cap Index)」

 

というベンチマークがあり、この中身は世界中の国の大型~小型株まで、約9000社が対象になったインデックスで、世界中の企業の時価総額の98%をカバーしています。

こちらも日本語では全世界株と言われているので、表題の通り実はオルカンてベンチマークが一つじゃないのです。

 

この二つ、名称は似ていますが、中身とリターンにも差があります。

「自分のオルカンはこの一カ月増えているのに、親に買わせたオルカンは減っている」とか、そんな疑問を持つ人もいるようですが、まずはしっかり購入した投信の中身を確認するといいかと思います。

 

 

 

 

 

 

  二つのオルカンのパフォーマンスの違い

 

この二つのオルカンについて、一般的な解説をします。

 

ACWIが3000社、GACIが9000社ということで、GACIのほうがより沢山分散を利かせたインデックスとなりますが、一方で、信託報酬はACWIが0.05%台からラインナップされているのに対して、GACIは0.1%程度のものが多いため、手数料は倍かかるイメージです。

 

投資対象の数の違いと、信託報酬の違いが、二つのオルカンのパフォーマンスに差をつけていると考えられます。

 

信託報酬については、安いACWIのほうが有利というのがわかると思います。

これは、これ以上の説明は不要ですね。

 

もう一つの大きな違い小型株を含むかどうかについてですが、もちろん小型株を含んだほうが分散の効いた投資になります。

分散投資は投資の基本とはされていますが、実は個別株投資の場合、50社程度の分散投資までは効果が高いが、それ以上の分散をしても効果は薄れてくると言われていますので、数を増やせばいいというものでもないようです。

 

実際、ACWIGACIのパフォーマンスは、長期ではACWIのほうがよくなっており、小型株がパフォーマンスの足を引っ張ているということが言えそうです。

 

よって、小型株についてのこだわりが特になければ、ACWIを選んでおくほうがよさそうです。

 

よさそう、と断言しないのは自分が6000社の小型株の中身なんて調べていないからですが、東証プライムと東証グロース、DOWとラッセル2000を比較しても、まあ安定して成長しているのはプライムやDOWであって、小型株の多いグロースやラッセルはアンダーパフォームしている期間が長い・・・これも肌感覚なんですけどね。

でも何となく、いわれると納得できる内容なのではないでしょうか?

実績として数値にも表れていますしね。

 

先述の、自分と家族のオルカンのパフォーマンスが違う?とお悩みの方は、まずは買っているのがどちらなのか?を調べてみるのがいいと思います。

 

 

 

 

 

 

  同じACWIでパフォーマンスが違う場合

ちなみに、他の要因として考えられるものも上げておくと

 

同じ商品のように見える以下

 

・三菱UFJ-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

信託報酬:0.05775%

 

・三菱UFJ-eMAXIS 全世界株式インデックス

信託報酬:0.66%

 

これ、同じ三菱UFJのeMAXISシリーズの商品で、そしてどちらもACWIをベンチマークとしているのですが、よく見ると、信託報酬が一桁違います。

この差がパフォーマンスの違いになって表れている可能性があります。

 

なぜこんな紛らわしい商品をラインナップしているのかというと、「eMAXIS」は、誰でもどこからでも買える商品なのに対して、「eMAXIS Slim」はネット専売で銀行などの対面取引では買えない商品です。

対面取引での人件費が掛からない分だけ信託報酬が安いというイメージです。

ですから、ネット証券会社で購入している人は必ず「eMAXIS Slim」を選択しましょう。

 

その他にも

 

・三菱UFJ-eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

信託報酬:0.05775%

 

という全世界から日本市場を除いた商品。

また、eMAXISではなく他社の商品になりますが「除く米国」というオルカンも存在します。

 

特定の国を除いた投資をすることで、パフォーマンスは上にも下にも、違いは出てくるかと思われます。

どっちに転ぶかはその時次第ですが。

 

なので、意図せずここら辺の商品を選択していないかもよく確認するとよいかと思われます。

 

 

 

 

 

 

  

余談

 

なお、特定の国を除いた商品は、その国の経済を悲観して除外したいということもあるかもしれませんが、主な使い方は別にあります。

 

例えば、TOPIXやS&P500連動の投信を既に別で持っており、それとは別にオルカンを組む場合、日本や米国のへ投資が重複してしまいますから、その重複をなくすために「除く○○」を選択します。

 

そして、世界の経済情勢を見つつ、オルカンと個別の特定の国への投信の積み立て割合を変えることで、パフォーマンスの最大化を目指せます。

 

同じようなインデックスを複数持つ場合、上記のような使い方をすれば効率的な分散投資になりますが、中には全く中身が同じものを複数買い付けているケースなど、分散になってない買い方をしているケースもよく見かけますね。

(これについての詳しい説明はまた後日)

 

 

 

    

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