配当金(分配金)のメリットとデメリット | グデーリアンの投資ブログ

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今回はこちらの続きです。

どちらがいい?配当金(分配金)の有無 | グデーリアンの投資ブログ (ameblo.jp)

 

 

 

前回は、配当金を出す銘柄と出さない銘柄の違いについて話しました。

 

投資効率だけでいうなら、配当金を出さずに自社の設備投資に回す企業のほうが効率よく成長が出来ます。

 

ここまでは前回話したのですが、その大きな理由は税の繰り延べです。

 

■配当を出さない銘柄のメリット

 

企業が配当金を株主に出した場合、その時点で配当所得税20%が国に中抜きされます。

もし、株主が再投資してくれたとしても、その額は配当金を出した80%分にしかなりません。

 

それに対して、配当金を出さずに企業の設備投資や研究開発費に回す場合、これには税がかかりません。

理論上、設備投資した分企業の価値が上がり、その分株価が上がりますが、その上がった株を売った際に初めて20%の課税がされますので、何年もかけて企業を大きくして、最後に売却して一回だけ20%の税を取られるほうが、毎年20%を取られ続けるよりも、投資効率が良くなるのです。

 

 

 

 

 

この税の繰り延べ効果のほかに、NISA口座の場合、配当を受け取って、その分を再投資をすることで、NISA口座の枠を消費していってしまうというデメリットもあります。

 

例えば、もし配当金を出さない銘柄の場合

こちらは投資信託で説明しますが、企業からファンドに入る配当金を、投資家へ分配金として出さずにファンド内で再投資した場合、最初の投資額が例えば100万円であれば、取得額は100万円のまま(NISAの枠消費は100万円のまま)、ファンドが内部で再投資した分は評価額の上昇(株価の上昇)という形で還元されます。

 

なので、NISAへ投資した額は100万円のままで投資可能額が減ることはありません。

(100万円分投資して、それが1800万円に上昇しても、NISA枠の消費は、投資した100万円だけですよね。)

 

逆に、分配金を出す投資信託の場合、この分配金を再投資すると、NISA枠を消費して投資信託を買い足すという形になるため、NISA枠が減っていってしまいます。

 

と、このように配当金や分配金を出さない銘柄のほうが、理論上は効率よく投資が出来ます。

 

 

■配当を出す銘柄のメリット

 

では、配当を出すのは悪いことなのかというと、実はそれなりのメリットがあります。

 

その一つは出口戦略です。

配当を出さない銘柄の場合、どこかでその銘柄を売却して現金化する必要があります。

仕事を引退した方の場合、年金のほかに、収入は有価証券だけという方も多いと思います。

そういう方にとっては、定期的に株や投資信託を売却しながら生活費に充てていくことになると思います。

ただ、株価というのはその時の市場環境に左右されるため、生活費が必要になったタイミングで株を売却しようとしたら、値下がりしていたとか、市場環境によっては売却する際にもストレスがかかることがあります。

 

その点、配当などのインカムを出す銘柄は、株を売却するのではなく、定期的に払い出される配当を生活費に充てるだけです。

配当は、前回の記事でも書いた通り、株価よりも安定していることが多いので、生活費の見通しも立てやすくなります。

 

 

 

 

 

そして、もう一つのメリットが、メンタルの安定です。

前述の、生活費の見通しというところともかぶりますが、株は定期的に暴落します。

投資信託も、投資対象が株であれば個別株同様に暴落します。

 

こういう時、自身のポートフォリオを見ると、含み益が毎日減ったり、含み益だったものが含み損になったり、口座全体の評価額が小さくなります。

特に初心者のうちは、自身の資産が目減りしていくのを見るのはメンタル的につらいことも多いと思います。

 

こんな時、株価の合計ではなく、配当のある銘柄の、配当金の合計を見ると、いくら株価が下がっても、株を持っている限り貰える配当金は変わらないのがわかります。

 

逆に、株価が下がるのが怖くて売ってしまうと、入金予定の配当金も同時に減ってしまいます。

だから、貰えるはずの配当を確実にもらうには暴落時でも買い持ちしていなきゃいけないんだ、ってことがわかってきます。

そんな風に見方を変えるだけで、メンタルの維持につながります。

 

 

 

 

 

株で損をする初心者の、損をするパターンの一つは、暴落時の狼狽売りですので、持ち続けるメリットと理由を、自身の中で確立できることは、株で勝つスキルになります。

 

いかがでしょうか?

 

どちらが正解でどちらが間違いということはないのですが、株の本質は、安く買って高く売る、ギャンブルではありません。

本質は、資本家として企業のオーナーになって、利益を企業から得続けることですから、その意味ではインカムを得続けるのはより株の本質に近い利益の上げ方と言えるのでないかと思います。

 

投資の方針を決めあぐねている方は、一考の価値があるのではないでしょうか?