類似(4) 節分の儀式
どういう訳か、聖所ヤズルカヤの神々は、フルリ人の神々で
す。ヒッタイトにいるフルリ人は、愛知町の話に出てくる安井
氏のように、神とつながる職か日置部のような存在だったの
かも知れません。
家の近くに、もう一つ変わった神を祀ってあるお寺が有りま
す。祀って有るのが、「夜叉龍」です。すごく、その名が
気になっていたのです。ヤマタノオロチの伝説と被ったヒッタ
イトの伝説で出てくる神の名は、「フルリヤシャ」と言います。
私は、「フルリヤシャ」=「夜叉龍」のように感じます。
その根拠は、「フルリ」と言う言葉は「夜」を意味しているから
です。そして、「ヤシャ」と言う言葉です。
夜叉は、古代インドの神話に登場する鬼です。
節分とのつながりから、この記事を書いています。
節分の記事では、鬼=八体の龍としました。
仏教では、夜叉は、天界の神々の「天龍八部衆」の一人、と
言われる事を今日、知りました。
つまり、「フリルヤシャ」=「夜の龍八部衆」ですね。
やはり、私の想像と同じです。鬼は、神の意思を伝達する役
目を持っています。ヤズルヤカの牛の置物の意味と同じで
す。違うのは、人の願いを神に伝えると言う、方向の違いで
す。
ヒッタイトの前身のシュメールの神話に、「ミカエル」と「ルシ
ファー」、日本では、「山幸彦」「海幸彦」の伝説の元になった
「嵐の神」と、「海の龍神」との戦いの伝説が有ります。
共に、「海」側が敗北します。
節分の儀式の元になった追儺の儀式(少し前の赤と白の伝説(4)の記事
参照)と同じ形を持つヒッタイトの儀式は、二頭の陶製の牛の
置物を各方角に有る門に置きます。新年か、初春を祝う儀
式とされます。
首都ハットウシャから出土した粘土板には、この牛の役目
が書かれてるものが有り、「神を、赤、白、青の帯を飾った牛
車に載せて、城砦の門から出て、外の森に運ぶ」という記述
が有りました。
仏教では、夜叉(鬼神)は森の精霊ともされます。そして、北
を守る神とされます。
この帯の色からして、方角を表す四聖獣の色と推測できま
す。一つ足りないのが、玄武の黒です。
夜叉は「夜」と書くことから、「黒」をイメージします。
大黒様と龍(フルリヤシャには、ヤマタノオロチに似た伝説が有るから)は一つで
す。黒+夜叉(鬼=雷様=龍)だから、大黒様の大神神社
の守り神には、「龍」に「雷」が付いている由縁でしょう。
フルリヤシャと言う神様も夜を表す事と、森に行く事から、
「ヤシャ(鬼)が、門の外に出る」つまり、「鬼は外」の節分に
つながるのではないでしょうか。節分の由来である「追儺」
の儀式にも、牛の置物を門に置く儀式が有る事から、相当
な確率で、節分の儀式は、このヒッタイトからきていると思わ
れます。
そして、豆を投げる事の元は、桃とされることから、桃太郎
の話もこれから来ていると推測できそうです。
鬼が悪者として、扱われているらしい事が書かれている粘
土板が有ります。
「支配者たる天候神が冥界へ追放した8柱の神々は、不思
議な力を持っていたので、この神々を土に変えて、これを剣
となし、地中に突き刺す」
ここでも、八人の神が追放される事が書かれています。
ヒッタイトが「八」の国と言われるのもこれから来ているので
しょう。
私が少し前の記事でも書きました。八人の神は、旧約聖書
に出てくる天から落とされた天使長ルシファーの一味として
きました。
「土に変える事とか、地中に剣を刺す」事も、他の伝説とつ
ながりそうですが、別な機会に考えてみようかと思っていま
す。