禁煙タクシー導入の目的 | 受動喫煙の完全防止を目指すブログ

禁煙タクシー導入の目的

~その1~


禁煙タクシーの目的は、「全ての乗務員と全ての利用者の受動喫煙防止」です。


この目的の先には、「全面禁煙化」あるのみです。たばこを吸わない乗務員や利用者のためだけの制度ではありません。そして、導入問題を運行収入の増減で決めることでもありませんし、事業者、乗務員、利用者の多数決で決めることでもありません。例え、全面禁煙化により減収があったとしても、また、100%の人が反対したとしても医学的見地からタクシーは全面禁煙にすべきです。


全面禁煙化制度導入にあたっては、減収とトラブルが懸念されるところですが、減収懸念につきましては、根拠のない憶測に過ぎません。その理由は、大分、名古屋、神奈川等の先駆者からは増収報告はあっても減収報告のないこと、15年前、他社に先駆けて全車禁煙に踏み切ったMKタクシーが他社より好業績を維持していること、他の全車禁煙を採用する会社も好業績を上げていること、大量導入しているKM自動車や日の丸自動車は、喫煙車と禁煙車の運収を比較して禁煙車の方が運収が高い結果、増車していることなどです。


次にトラブル、中でも「夜の酔い客」とのトラブルが懸念されますが、大分、名古屋、神奈川等殆ど苦情通報やトラブルもない状態ですから、今後、新たな地域の全面禁煙化後も乗務員の適切な対応で乗り切れると思っております。


~その2~


 乗務員の立場から、禁煙タクシーの目的は、乗務員の「社会的地位向上」にあります。


 既に、禁煙車乗務している私のタクシー全面禁煙化運動の原点です。


 タクシー以外のバス、電車など殆どの公共交通機関は禁煙化されております。その理由は、狭い車内で喫煙すれば、他人に迷惑を及ぼすからではないでしょうか。極めて狭いタクシー車内には必ず乗務員がいます。タクシー乗務員だけが我慢する理由がありません。


 たばこを吸う乗務員とか、客の喫煙を気にしない乗務員とかは別問題です。タクシー乗務員はタクシーが全面禁煙になって初めて、世間から人格が認知されたと思っています。


 ですから本来、乗務員が全面禁煙化の声を、先頭に立って挙げる問題と考えます。タクシージャーナルの編集者、坂口順一氏(個人タクシー乗務員)は、20年前、安井幸一さんによる、初めての禁煙タクシー申請に対して、「やっと出てきた乗務員の人権宣言」と評価しました。今、私も全く同感です。


 タクシーの全面禁煙化に反対の乗務員さんが沢山おられることは承知しております。


 既に、名古屋、浜松などにおいて乗務員に対して「何故、タクシーの禁煙化が必要か」という医学的啓蒙教育が医師を招いて行われました。全国の乗務員にも啓蒙教育を行い意識改革する必要があると思っています。