⑰パリ、二つのデパート | 私的パリ案内

私的パリ案内

大好きなパリ!美術館も音楽もいいけれど
美味しいものもチョコッと食べてみたい
そんなおばさんの旅レポートです

 バスは「Place Vendôme」(ヴァンドーム広場)~「Avenue des Champs-

Élysées 」(シャンゼリゼ大通り)~「Arc de triomphe de l'Étoile」(凱旋門)~

Trocadero」(トロカデロ)~「La tour Eiffel」(エッフェル塔)~「Invalides」(アンヴ

ァリッド)~ド)~「Eglise de la Madeleine」(マドレーヌ寺院)と巡る。

シャンゼリゼ大通りの「Lido」は今も健在らしい

(入ったことは無い)


リド

遠くに凱旋門。バスはこの下を潜ってトロカデロへ

(この画像はバスの2階から撮ったもの)

凱旋門

紅葉が始まったシャンゼリゼ大通り

紅葉

いつ見ても美しいと思うエッフェル塔も

最初はパリ市民に悪評だったそうな

エッフェル

 終点でもあり始点でもあるオペラ座まで行く予定だっだ。だが途中でバ

スがプランタンの横に止まった時、つい降りてしまった。「降りるよ。」

と声を掛けると、母は「えっ、」と言う顔をする。予定外のことだったか

らか。それともここで降りてどこへ行くのだろうと思ったのか。名所や遺

跡は全く関係無い。

 実は、ここに来る前にすっかり変わり果てた「Samaritaine」(サマテ

リーヌ)を見た。そのせいか、ふっとパリのデパートの‟今”を見てみた

いと思ったのだった。母は行く先が分かると「丁度いいからお手洗いを借

りたい。」と言う。我慢していたのだろう。まだ大丈夫だろうと思ってい

たが、寒さのせいに違いない。

 サマテリーヌは直視出来ない程の寂れようだった。娘が「写真撮ってお

こうか?」と言ってくれなければ、忘れてしまうぐらい呆気に取られた。

そう言えば、ボン・マルシェも一度潰れて再建している。サマテリーヌは

場所的に一番便利な良い所なのに、なぜ倒産してしまったのだろう。かっ

ての、日本のあるデパートのように客のニーズの変化に追付かなかったの

か。20年以上前に横を通った時も、このデパートは既に全体的な華やかさ

を失っていた。誰かが再建の手を付けなければ永遠にあの姿のままのよう

に見えた。だが、調べてみるとボンマルシェと同じくルイ・ヴィトン系列

の会社によって買い取られたと言う。そして2015年末には新装開店するら

しい。改装後はボンマルシェのように個性の無いデパートになってしまう

のか?一度は必ず訪れて検証してみたいものだと思っている。

貼り付け元 <http://www.geocities.jp/kcc_newair/spot30.htm >

使われていないサマテリーヌはかって

パリ一番の広さを誇るデパートだった

サマテリーヌ

 バスを降りて、見えていたプランタンに向かう。日本にも銀座にプラン

タンがある。銀座そのものへ久しく行っていないので比較は出来ない。で

も一歩足を踏み入れて何か特徴があるかと言えば、無いように思った。こ

れは旅人の視線なので、パリ在住の人にとっては何か違う点があるのかも

知れない。だがボンマルシェ本館と同じように、私にとっては普通のデパ

ートだった。しかも母が借りると言ったトイレは‟借り物”ではなく、昔と

同じにトイレおばさんがいた。これには驚いた。正式にはトイレ管理人と

呼べばいいのだろうか。デンと中央に座ってお金を取っている。料金

1.50€。その代りトイレグッズを置いているコーナーがあった。なんと、

キティちゃん。お金を払った分だけ確かに綺麗ではあるが、それが当り前

と思っている私達はいいのか悪いのか。

懐かしいプランタン。

この建物が見える場所が停留所だった。

プランタン

カラフルなペーパー。ちょろちょろ人が来る。

人気のコーナーなんだろうか

プランタン トイレ

 見るべきものが無かったので、ギャラリーラファイエットへ移動。すぐ

近くなので楽。また雨が強くなって来たが、庇が大きいためほとんど濡れ

ずに済んだ。疲れたので入口にあったフロアガイドを見て、カフェで休憩

することに。ギャラリーラファイエットは昔も今も勢いがある。やはりデ

パートはこうでなくちゃと思う。何か買うアテがあるわけではないが、賑

やかでキラキラしていて。そんなイメージを保ち続けているのが嬉しい。

お客の数もギャラリーラファイエットは圧倒的に多い

ギャラリーラファイエット①

レストラン専門のフロアガイド。分かり易い

ギャラリーラファイエット フロアガイド

 最上階の「Lafayette Café」(ラファイエット・カフェ)に着いて、

セルフサービスのカフェであることを知る。カウンターへ行き、好きな飲

物やケーキ類を注文。会計をしつつ、トレーを持って待っていると出てく

るシステム。簡単で便利だ。でも、何か物足りない。期待していたような

カフェではないのだ。

 ラファイエットだけでなくボンマルシェもそうだったが、パリのカフェ

は一昔前の日本のデパートよりも食べることに関しては遅れているように

思う。つまり、買い物をしたついでに食べてゆくという感じ。日本のデパ

ートはそういうスタイルから脱皮している。食べる所は食べるためにあっ

て、有名店が沢山入っている。そして、それはそれで結構楽しみだったり

する。カフェの隣にはパリ土産が置いてあったが、それも然り。特別に

‟これっ”と思うものが無い。パリに来るのが何年振りか分からない母で

さえ、特に買いたいものは無かったらしい。

誰もいない時に撮影。実は禁止だった

カフェ

こちらはガトーショコラとカフェオレ

ガトーショコラ

レモンケーキ、アップルタルトにジャスミンティー

レモンケーキ

 飲物はコーヒーで有名な「 Malongo」(マロンゴ)のもの。あちらこちらで見掛ける。母はコーヒーを飲まないわけではないが、お茶党なのでジャスミンティーを注文。今パリでは緑茶も普通にあるけれど、ここには無かった。どうやらマロンゴは日本のカルディ(KALDI)のようなお店らしい。紅茶も置いているが、カフェに特化している。ネットで調べるまで全然知らなかったので、カフェオレを頼んで良かった。娘は「美味しかったけど、普通だよ。」と言う。マロンゴは独自にカフェも経営していることが分かったので、メトロのオデオンにある「Le Malongo Café」(ル・マロンゴ・カフェ)に機会があれば行ってみたいなと思った。
貼り付け元 <http://www.hayakoo.com/le-malongo-cafe/ >

マロンゴ

 「そろそろ行こうか。」と私が言うと、母は「散々歩いて疲れたから、

もう少し休む。」と言う。「オープンバスは座って見るだけだったで

しょ。」と聞くと「座っていただけだけど、目があれこれ忙しく歩いて疲

れた。」と答える。確かに、と3人で大笑いしてしまった。

 朝の9時半頃にモンマルトルを出て、今は1830だ。約9時間が過ぎて

いる。その間、お昼で2時間休憩。花市を少し歩いてまたバス。実際に歩

いた時間は1時間にも満たないが、少しハードだったか?この調子では明

日のロワール河古城行きは、中止か他の日に変更しなければならないなと

チラリと思った。もっともっとスケジュールを緩くしなければ、と。