食後、私達は次の目的地へ向かいました。パリで一番と評判のチーズ屋
さんが、「Sola」から歩いて数分の所。メトロ10号線の駅「Maubert
Mutualite」のすぐ近くにあります。実はこちらのお店には必ず寄りたか
ったので、数多くある日本人シェフのレストランの中から「Sola」を選ん
だとも言えます。勿論、選んで大正解でしたが
名前は「Fromagerie Laurent Dubois」(フロマージュリ ローレン・
デュボワ)。MFO(フランス国家最優秀職人賞)を受賞している有名なお
店らしいのですが、チーズがそれほど得意ではない私は全く知りません
でした。その名前を見つけたのは、日本人シェフのお店「Restaurant ES」
(レストラン・エス)を紹介したMadame FIGAROのネットの記事です。その
お店で使われている「Ponclet」(ポンクレ)のバターって何?と調べてい
って辿り着いたのがローレン・デュボワでした。バターだったら、とっても興味があ
ります。はるか昔にエシレのバターと出会った話は、一度書きました。フランスで
買った時はたいした値段でも無いのに、食べてみてびっくり。本来のバターとは
こういうものだったのかと驚きました。そして日本で同じものを見つけて、4倍もす
る値段にまたまたびっくりしたのです。
貼り付け元 <http://www.madamefigaro-wlp.jp/75013/archives/es.html >
フランスではバターを買う時にはチーズ屋さんへ行くそうですが、ポン
クレのバターは大人気。ローレン・デュボワを訪れたからと言って、いつ
でも手に入るとは限らないそうです。星付きレストランが予約をしていて、
ほとんど引取られてしまうらしい。バターは無理でも娘が大好きな美味し
いチーズが手に入るのだったらと、やって来ました。
メトロの駅のすぐ側、Maubert(モベール)広場を
じっくり見ると看板がすぐに見つかります
店頭にはこのお店の、オリジナルチーズが
日本人のスタッフがいると言うことでしたが、私達が訪れた時にはいま
せんでした。行く前にはネットで見ているだけで単純にワクワクしていた
のですが。詳しく調べてみると実に惜しいことをしたようです。お店のオ
リジナルチーズが色々とあり、中でも「SAINT-UGUZON」(サントュギュゾ
ン)というチーズ。さっとラム酒にくぐらせてから、レーズンをまぶした
ものです。聞いただけでも美味しそう。私はレーズンが大好きなんです。
球体をしていると言いますから、上の画像の左奥にあるものでは?また季
節により、黒トリュフをたっぷり乗せたものがあるんだそうです。今は春
なので、こちらは無理だったかもですが。
お店では、買いやすいように様々な工夫がされていました。切売りのチ
ーズは色々な大きさに切り分けられていて、好きな大きさのものを選ぶこ
とが出来ます。また味見のためのチーズも用意されていました。種類や名
前に詳しくなくても食べてみて美味しいと思ったものを、買う事が出来ま
す。また日本へ持ち帰るために、真空パックにもして貰えるそうです。季
節的に大丈夫かなと思い頼みませんでしたが、手数料は1€ぐらいと安い
みたいですよ。
色々な種類の青カビチーズが並んでいます
こちらはパルメザン等。
味見をして、ここから2種類ほど買いました
結局、ポンクレは手に入りませんでしたが、これまた美味しいと評判の
「Bordier」(ボルディエ)のバター、カップ入りのパルメザンチーズ、
そして味見した中からも1種類買いました。アパルトマンに帰ってから
レシートを良く見ると、バターは125gのもので2.50€(約350円)、パルメ
ザンは100g入りで6.50€(約900円)。最後の味見をしたものは「Comte
Fruite 2012」とありますから、2012年もののコンテ。小さな欠片でした
ので、3.74€(約500円)でした。
コンテと言うチーズは良く耳にしますから、ご存知の方も多いことでし
ょう。フランスのフランシュ=コンテ地方限定のチーズのことで、添加物
は全く使われていません。買った後で知るのもなんですが、気になるので
「Comte Fruite 」を調べてみました。熟成期間が1年から2年のものを
指し、胡桃のような味がする。つまりフルーツとは山のナッツの風味のこ
とだったのです。チーズも奥が深い食べ物ですね。美味しいチーズに出会
うために、もう少し勉強しておくべきだったと思いました。
貼り付け元 <http://ttaatt.com/cheese/hard01.html >
これは全部自家用お土産。楽しみです!
お店を出ようとして、日本人の女性から話し掛けられました。多分、
70歳を少し超えた方でしょう。側にはご主人がいて、あれこれとチーズを
買いまくっています。「ここから、モンマルトルまで歩いていけるでしょ
うか?」と言う質問でした。手にはガイドブックがあります。ここはパリ
左岸の5区。モンマルトルは右岸の18区。若い人でもどうかな?と言う距
離です。
この方達は今日、ノートルダム寺院を出て、色々見ながら歩きでここま
で来たんだそうです。すごい!ご主人は全く疲れを知らない風で、精力的
にチーズを選んでいます。「多分、無理だと思いますね。ここからタクシ
ーを使って20€ぐらいだと思いますが。」とガイドブックの地図を見ながら
説明しました。ご主人はチーズが大好きで、行く先々でチーズばかり買っ
ているんだそうです。このお店もネットを使って事前に有名であることを
知っていました。奥さんは呆れながらもニコニコ。体力もさることながら、
この仲の良さ。見ていてとっても気持ちの良い方達でした。明日は帰国さ
れるとのこと。お気を付けてお帰り下さい。
*Cite~Maubert Mutualiteまでのケム