ローズマリー・ブラウンが受け取った、あの世のフランツ・リストからのメッセージ | ことの木

ことの木

☆波動を上げる生き方☆
☆和楽器の箏の話☆
☆気になる本の紹介など☆

 

今年もお盆のシーズンになりました。

 

今日は、亡くなったクラシックの大作曲家たちの霊と交流があったローズマリー・ブラウン(1916-2001)さんの自伝的エッセイ本をご紹介したいと思います。


 

彼女は、あの世の大作曲家たちとのコンタクトを通して、たくさんの楽譜を残しました。

特に親交のあったリストとは、死後の世界についてや神についての見解などもやり取りしています。

 

 

本のタイトルは

 

「詩的で超常的な調べ」霊界の楽聖たちが私に授けてくれたもの

 

 

 

原本は、1971年にロンドンで出版されました。

日本語版は、平川富士男氏の訳で2014年に出版されました。

 

目次

第1章      始まり

第2章     どうして私が?

第3章     作曲家たちの計画

第4章     リスト

第5章     死後の世界

第6章     ショパン

第7章     その他の作曲家たち

第8章     ヒーリング

第9章     証拠

 

 

ロンドンに在住していた、ローズマリー・ブラウンは、幼少のころから霊媒体質で初めてリストに会ったのは7歳でした。そのときリストは「君が大きくなったらまた会いにくるからね。その時は君に曲をあげよう。」と言ったそうです。

 

 

再びリストが現れたのはご主人を亡くされた後の1964年ごろでした。その後、ショパン、シューベルト、ベートーヴェン、バッハなどの作曲家たちの霊との交流が始まります。

 

 

ローズマリーさんとのやり取りから、作曲家たちのそれぞれの性格が想像した通りだったり、意外な一面があったり、思わず笑ってしまうような箇所もあって、とても興味深く読めました。

 

 

彼女を一番サポートしたのはリストでした。彼女はリストのことを親友だと言っています。

愛情のこもった、思慮深いリストの言葉や言い回しに、心を惹かれます。

 

 

以下、本文の一部抜粋です。

 

☆リストとのやりとり☆

 

p.64 「どうして私がこんな経験をするの?」と尋ねたところ、彼は「君が志願したからさ。君が生まれるずっと前にね」と答えたのでした。

 

 

p.66 リストはとても優しい言い方で、こう続けました。

「君の人生は楽なものではなかった。君はつらい思いをしたが、それはそのように予定されていたからなんだ。そして君が悲しみの感覚を制御する方法を学び、自分の身に起こるあらゆる苦難を超克する手立てを学ぶこともまた、予定されていたことなんだ。そしてその学びで培った能力と意志力が、我々と仕事をする上で欠かせない不動心を君にもたらしたんだよ」

 

 

p.125 彼は私に、この世の状況が常に良い方向へ前進していることを自分は信じていると話してくれました。今もって誤解や紛争はあるものの、私たちは彼の言うところの「思いやりの夜明け」を迎える寸前にいるのだそうです。

 

 

p.126 彼は暗黒の時代、つまりたくさんの偏狭な考えがあった時代に生きていたと感じています。彼は自分の歩んだ人生を正当化しようとはしません。彼の生き様は奔放であったと指摘する人々がいます。しかし彼は、もし自分が今の世を生きていたなら、自分の生き方はたいして批判されなかっただろうと感じています。

 

 

p.133 リストがいるときに私はラジオを聴いていました。やがていわゆる現代音楽が始まりました。私はそれを聞いて吹き出してしまったのですが、その曲をどう思うかリストに尋ねてみました。彼は少しの間考え込み、そのあとこう言いました。

「どことなく面白いけど、どちらかというと異様な音響の連続だね。知的だという点ではよくできていると言えるかもしれないが、僕の考えではそれは音楽ではない。音楽を製造することはできないからだ。音楽とはある源泉から霊感によってもたらされるべきものなのだ。自分の知性だけで作曲できる人々もいるが、そこに霊感という微妙な要素が混ぜ合わされていない限り、結果は不満足なものとなるだろう」

それでいて、バッハは現代のリズムに魅了されています。

 

 

☆死後の世界について☆

 

p.141 彼等が私を訪問するときには、私のことを考え、私に波長を合わせるのです。彼等はそうすることによって、私がどこにいようとも、私のもとに「瞬間移動」してくることができます。

 

 

「神は本当に存在するよ」と彼は言いました。「しかしそれは地上の人々が考えるような神ではない。神は霊(スピリット)なのだ。あらゆるものに浸透し、あらゆる場所に存在している生命力だ。さらに言えば、それは意識を持った霊であり、従って人々がともに祈れば、その祈りは〔神によって〕意識されるのだ」

 

 

p.143 「君たちの世界は保育園のようなものなんだ。人が死んで、自分が人生を浪費したということが分かったら、その人には前進し、遅れを取り戻す機会がまだ残されている。

 そのことを人々に知ってもらい、希望を持ってもらうことが、君との仕事で我々が意図していることなんだ。この世の人生というものが、死後の素晴らしい人生の準備段階にすぎないということを知れば、人々は今をもっと幸せにいきることができるようになるだろう」

 

 

リストによれば、地獄はその人自ら作り出すものなのだそうです。

「もし人々がわざと破壊的な人生を送ったり、意図的な無視や行動によって他者を苦しめるような人生を送ったりしたならば、彼らは我々の世界に来たときに、自分たちのしたことに直面しなければならない。

彼等の良心は、もはや抑圧したままにしておくことはできないのだ。

なぜならば、地上にいたときと違って、そこには自己と良心を隔てるものがないからだ」

 

 

彼が言うには、私たちはこの世で生きることを志願するのだそうです。そして自分の人生がどのようなものになりそうか、一種の計画を生まれる前に与えられるとのことです。しかし様々な状況に私たちがどのように対処するのか、あるいは私たちが予定された進路をたどるかどうかは完全に決まっているわけではなく、従って私たちの行動は私たちの人生を変え得るのだそうです。

 

 

 

 

 

 

 

彼女のインタビューはBBCでも取り上げられました。

 

 

巻末には、リストから受け取った曲「グリューベライ」の自筆譜が掲載されています。

その自筆譜は遺族によって大英博物館に寄贈されたものです。

 

 

また、ローズマリー・ブラウンがインスパイアされた曲として、2014年にユニバーサルミュージック合同会社よりCD「ローズマリーの霊感~詩的で超常的な調べ」が発売されています。

17曲のうち8曲はリストから受け取った曲です。「グリューベライ」も収録されています。


こちらのCDも聴いてみました。

天界からの音楽は、心を鎮めるような穏やかな内省的な音楽に感じました。

 

 

他の作曲家たちとのやりとりも興味深かったです。

 

ショパンはとても気品にみちた物腰で、見た目同様に、彼の身のこなしは貴族のようだとか。

 

シューベルトとベートーヴェンが初めて会いに来たときは二人一緒で、リストが付き添って紹介してくれた。シューベルトは本当はかなりハンサムだとか。

 

また、ドビュッシーはあの世では絵を描きはじめたらしく、彼は自分の描いた絵を見せてくれたとか。

 

 

長くなりました。

音楽とスピリチュアリズムにご興味のある方にはオススメの一冊です。