少し前に「蘇生Ⅱ」の映画を観たとき、微生物が原子転換を起こすという話を初めて聞いて、ずっと頭の隅で忘れられないでいました。

 

 

元素がほかの元素に転換するなんて、核分裂とか核融合とかでなければ、ありえないと教わってきたのに。

周期表に鎮座する元素はそう簡単には動かないものと思っていたのです。

 

 

Wikipediaで検索すると、「生物学的元素転換とは、生物の内部で特定の元素が別の元素に転換したと称する疑似科学の一種を示す言葉である。」

と書かれています。

 

「疑似」と書かれると、さらに興味が湧きます。

なにか隠したいことでもあったのかしらウインク

 

 

原子転換なんて、そんなことがあるのだろうか?

そういった内容の本はあるのだろうかと探していた時、図書館で2冊の本を見つけました。

 

 

ルイ・ケルブラン著 桜庭如一翻訳 「生体による原子転換」 初版1962

ルイ・ケルブラン著 桜庭如一翻訳 「自然の中の原子転換」 初版1963

 

 

「生体による原子転換」だけを借りてみました。

中を開いてみたところ、、、読むのはかなり厳しそうでした汗うさぎ

普通の漢字とひらがなの文章に、所々カタカナが入り混じっていて、そこに化学式なども書かれていました。

 

 

でも、せっかくなので、所々、読めそうなところを眺めてみました。

そこで、面白かった内容をちょっとご紹介したいと思います。

 

 

 

①    石灰岩のない場所に住むニワトリが、毎日石灰質の殻の卵を産めるのはどうしてか。

 

著者は、ニワトリがいつも雲母を食べているのを観察していたことから、雲母から石灰成分を補っているのではないかと予想し、実験によって雲母で石灰不足を解消できることが分かった。

雲母はほとんどがAl(アルミニウム)とK(カリウム)のケイ酸塩。

ニワトリは、体内で雲母のカリウムから卵殻成分のカルシウムを作っているのである。

 

K + H → Ca

 

(ちなみに卵殻の成分は、石灰岩の主な成分である炭酸カルシウムからできています。)

 

 

 

②    サハラ砂漠の炎天下での重労働者を対象としたMg(マグネシウム)についての栄養実験

 

5名の6か月にわたる実験結果では、飲料や食物から体内に取り入れたMgより、排泄物として体外に排出されたMgの量の方が多いことが分かった。Mgの排出量は一日の平均で取り入れた量より120mgも多い。

これは、人の体内でNa(ナトリウム)からMgを作り出しているからである。

 

Na + H → Mg

 

おそらく、その反対の行程でサンゴ虫、エビ、カニ類も海水中のMgからCaを生産させるのだろう。とのこと。

 

 

実験結果は実験の結果なので、なるほど~と思いました。

 

 

“人間は秤で計れる原子転換を行うサイクロトロンである。”

 

“塩の要求は、その都度調味料として加えられるし、薬用にも用いられる。

しかし誰一人、Naが取り入れたより、少なく排出されたのを体内で何か他のものになってかくれているのだろう、とは誰も考えなかったのである。

MgやPやCaやKになったとは全く想像できなかったのが当然である。“

 

とのこと。

 

 

この本の購入は難しいようなので、ご興味のある方は、図書館で探してみてください。

 

 

また、Wikipediaの「常温核融合」を参照したところ、「核変換」についての記載があり、現在日本でも研究が進められているとのことでした。