関西考古学研究会(大阪成蹊大、京都大、同志社大、奈良大、佛教大、立命館大、竜谷大となぜか早稲田大、埼玉大)が京都市考古資料館の支援?ないし協同で同資料館で研究発表展を行っている。
会期:平成26,12,16~平成27.1.25
休館日:月(祝日は翌日)と年末年始(28~3日) 9:00~17:00
会場:京都市考古資料館(上京区今出川大宮、バス停すぐ側)
京都へ行った際、合間をみてちょっと寄ってみた。
①貝と骨が語る京都人 ②倭人が愛した鉄 ③洛中洛外のキリシタン ④黒曜岩、600kmの旅 ⑤埴輪と地域の首長 ⑥飾られた馬具への問い ⑦縄文クライマックス の七コーナーから構成されている。
出来栄えはククであるが、一生懸命やっていることはよく解る。展示会であるから成果だけでなく解りやすい展示や表現が求められるが、資料館の手伝いも得て、この点も勉強になったかもしれない。
でも詳細へのこだわりとそれのアップの併用など課題もあるな。
それは兎も角として、面白い成果もあるね。
たとへば①なんか面白かった。
江戸時代前期の公家地、武家地、町人地から出土した魚骨から食用された魚の種類差をデータ化したもので、名言は避けているがデータが提示されているので勝手に読み取ることができた。
身分をトワず一番よく食されているのはマダイですって。贅沢だな。
魚種を選ばずなんでも食べているのが町民で青魚もよく食べ、カマスなど武家、公家に比べダントツに食している。
武家も比較的あれこれを食べているがカマスやマグロ属はあまり口にしていない。でもブリは町民よりよく食している。
公家は一番選択的というか限定的で、サバ、サワラ、カツオ、マグロといった青魚は食べないようであるが、数は少ないがイワシを食っているのは公家だけという面白さもある。
まだ一一の理由が解っているわけでもないでろうし、データも重ねる必要があるが、江戸京都の各ランクお台所が覗けて面白い。
④の黒曜岩など京都近辺出土の黒曜岩の産地同定を行い、その出自を明らかにしていて、長野や島根隠岐の島産は石鏃など製品になっているが、九州産は破片やごみで製品としては生きていないなどもなかなかでした。
学生の発表といえば、昔なら形而上的青草論が普通だったが、いやー今の学生さんは実に実直、実証的で確かであった。
ただ、それは手放しでいいかどうかは、また論議はひつようでしょうね。
提示資料の関係があって写真禁だったので示せないが、ここうしたらと思うところもありました。
機会があればぜひ見てください。