蘇る瀬戸内海賊の城ー能島城 | しもちゃんのブログ

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能島城を対岸の大島側から遠望した。この間まで、樹木がもさもさ繁茂していて、ただの島にしか見えなかった。景観整備したところ、郭の人工的な平坦線や切岸がくっきり見え、城らしくなった。手前の平坦部が三の丸、その上部が本丸である。本丸左側はこれから整備するそうなので、いずれ切岸もすっきり見えるようになるでしょう。

 

 能島城(愛媛県今治市宮窪町)は能島村上氏の居城の一つで、ここ10年?の発掘によって、城の実態が解ってきた。発掘開始以前は隅から隅まで「軍事」的側面のみで捉えられてきたが、発掘してみると、軍事的防御性は弱く、海を足とする交易的対外活動が顕著であるようだ。

 


この写真は同方向からのアップであるが、アップにすると邪魔ものが目立つ。その第一が本丸の上に葉を落とした木々だが、これは桜である。この桜が本丸の地下にある遺構を壊していることが発掘によって判明しているのみならず、ただ島の時は桜で済んだが、城の上に林立すると中世の景観を完全に破壊している。そめい吉野なんて幕末か明治に開発された庭木で、中世に存在するわけもないだけでなく、海賊衆がもつワイルドで勇敢なイメージを否定している。


年間わずか一週間の地元の慰みのために、国民の財産であるこの歴史的記念物の価値を侵害損壊していいのだろうか。国史跡といった文化遺産はその価値を棄損する一切のものは付け加えず、不要なものは除去するというのが世界的標準ではないのか。


その意味では三の丸の上に立つ天井つきの建物も邪魔だねー。これ雨降ったときや日差しの強い時などに逃げ込んだりできる便宜施設だけど。便宜施設は必要だけど、ありようは再検討されるべきだろう。


もうひとつ。この能島城と対をなす村上水軍博物館によったら、妙な石板が新たに建てられていた。そのうち写真で紹介するが、和田竜人気に悪乗りした記念物だ。フィクションもノンフィクションも判らぬ首長どもの仕業らしい。本当に程度が低いんだから。この他にもこれに類した事例がこのごろ県内に蔓延っているよ。

 

 そのうち、文化財利用悪乗り集でも特集するかな。