大洲市は大洲城の整備を進めていて、石垣の解体積み直しも検討している。
その一貫として、本丸西北の井戸曲輪の西北角も対象としているが、それに先だって天馬の発掘が行われた。絵図によれば長屋や土塀があったところ。
上部は少し削平されていたけど、長屋の礎石の根石や円形石積み遺構などが見つかった。石垣の裏ごめの残りもなかなかいい。
注目されたのは石垣の傍らにたっていたケヤキの根が掘り出されたことで、写真のように石垣の反対側は根が健やかに伸びているが、石垣側は石垣にぶちあたって、進めず左右に湾曲し、渦を巻いている。根は1cmあたり10Kgの圧力をかけるそうだから、もの凄い力で石垣を圧迫している。
このケヤキは平成11年にカットしたので、それ以上の圧力は止まったがほっていたら、石垣に悪影響を与えていたであろう。
石垣を崩壊させた宇和島城の楠の根のありかたと全く同じだ。
この宇和島の先例を過大評価だとし石垣に影響は認められないなどと言ってこの状態の放置を主張する少数の人が居たり、それを市民の声と持ち上げる立派な地方紙があったりで、大洲城は可哀想な状態です。
本丸には立派なケヤキが石垣沿いに並んでいてその下にある多聞遺構を毎日壊しており、三本並んで石垣に圧迫を加えている現状をなんとする。
桜の根も6mも伸びており、浅い遺構は能島城のように間違いなく遺構、遺物を破壊するであろう。
このように樹木は明らかに遺跡遺構遺物を破壊しているのであるから、行政当局も予防的保護をはかるべきであろう。
可哀想なのはあくまでも遺跡遺構だ。人間がまもってやらねば。
これがケヤキの根。石垣にストップされて根がねじ曲がっている。
こちらは桜ネ。どこまでも根はのびる。