この違いは! 考古館における復元横穴式石室の活かし方の差 | しもちゃんのブログ

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ここ数年、閉塞後、再び横穴式石室に潜り込んで、室内を攪乱し、死者の再生を阻止したと思われる事例が増えている。


島根県出雲市の中村1号墳などはその代表的な例と考えられ、前にも記したがその報告書はあっというまに完売。人の注意を引いている。


しもちゃんのブログ 再現された石室内部


出雲市ではその特別展「よみがえるな」展で、その成果を市民に伝えるため、市立考古館で、復元的にその状況を再現している。石棺を復元し、土器を実物展示し、古墳近辺の石材を採集敷くなど、あのてこのてで再現したものである。


これを見ることによって、壊された石棺、棺内から引き出された副葬品、打ち欠かれた土器などその異常なありかたが手に取るように目に入り、よく実感できる。なかなかの評判らしい。


松山市葉佐池2号墳も再生阻止の破壊を受けた可能性の高い石室で、その石室内には木棺材が足の踏み場もないほど散らばって、異様な情景を醸し出していた。

松山市考古館ではこの石室を複製再現して展示している。だが、その異様な状態を伝えようとせず、ただ横穴式石室の一例として見せているだけ。つまり、石室という構造物を見せているだけだ。

勿体ない。列島内の展示施設に時々そんなことをしているところがあるが、余りにも能がない。そんな構造物を見て、真に喜ぶのはその道の僅かの専門家だけ。あとはお化け屋敷に入った感覚で刹那的におもしろがるのがおる程度でしょう。


知って貰わねば成らないのは、そして人が知りたいのはその構造物の中で何が起こり、何が演じられたかだ。いつまでも遺物や遺構模型そのものの転がし陳列で喜ぶんじゃないよ。遺構・遺物には必ず歴史的核心があるものだ。その核心を自分なりにで引き出し、人に伝えるのが展示なのだ。


しもちゃんのブログ なーにもないのか葉佐池2号石室。折角のサプライズを殺してしまって。