西予市宇和町岩木にある笠置峠古墳は四国西部の最古の前方後円墳。礫積みの粗い竪穴式石槨、短い前方部など古い特徴をよく残している。平面形がシャモジのような形であるのも独特。
数年前これの整備が行われ、一般に公開されているが、共用後も土地の人(笠置文化財保存会)を中心に、事後の環境整備、維持など、よりよき遺跡の整備活用に向けて永続的な努力が続けられている。
その一つに後円部上段部の葺き石済み完成が残されている。この古墳、下段部の葺き石使いは劣悪であるが、上段円丘部は奇麗に全面葺きになっている。整備工事に於いて、半分は業者に託して葺いてもらったが、半分は地元のみならず、多くの人に呼びかけて皆でユックリでも完成してゆこうと計画し、その三回目にあたる。
その下準備が大変で、保存会の人がそのため10日位かけて準備に入ることもある。材の掘り起こし、砕石、古墳までの運搬、古墳を傷めないための鉄板敷きなどの養生などと。
そうして集まった石は僅か1時間30分で葺き終えることもある。この体験には小学生の子供から、おばあちゃんまでほとんどの年齢階層の人が参加する。一番こないのは、博物館などと同じで、働き盛りの男性ですね。
積み上げが進行すると業者仕立てとは随分違うモノになってきた。より、本物に近い葺き石積みになってきた。でも、これは業者が悪いとは言えないよ。業者は作った物が倒壊することは許されないのであるから、その使命感で作るのだからね。
だが一方、整備復元はハード手法のみを優先する公共工事手法では、本来のあり方を提供できないことになりはしないか。真を伝えるより、無難工事という行政手法に陥るのはそれは整備だろうか。それを越えるのが地域の人たちとの協働関係なのだ。文化財の保護は上ばかり向いてては限度があるというこおt。
さて今年の実施要綱は以下の通り
日時:平成24年3月11日(日)10:00~15:0
場所:笠置峠古墳、集合場所:JR伊予石城駅 9:40まで
参加費:500円(昼食代、保険料)
申し込み方法:下記に 住所、氏名、年齢、性別、連絡先を明記のうえ、申し込み(3/8日、締め切り)
定員:50名(多数の場合抽選)
申込先:西予市教育委員会 文化体育振興課葺き石体験事業事務局(愛媛県西予市宇和町卯之町)
電話:0894-62-6416 FX:0894-62-6591
葺き石の積みに上下の二つがあります。どっちが皆で積んだほうでしょう。あてて下さい。