愛媛県今治市の大島沖にある能島城は中世能島村上氏の居城?として国史跡に指定されている。
先年来、村上水軍博物館が発掘を行ってきて、防備性の薄さや生活臭の濃さなどが明らかになって来たが、ここに来て、その施設にも特徴があることが判ってきた。
廓は本丸、二の丸、三の丸などに分れてはいるものの、島の地形構造にもよるのか、二の丸など幾つかの放射状の出廓の集合体になっている。そうした単位には場所によって異なるが大概2間×4間の掘っ立て柱建物があり、それには土師皿や銭貨を埋納した地鎮め土壙が伴うことが多い。
さらに、これは能島の特長か、やや深めの略方形の大形土壙が1~3個伴うことが多い。この土壙の底から壁にかけてはべっとりと厚さ5~10cmの黒色のタール状物が貼り付けられている。防水を目指したとの見解があるが、さて天水の貯水であろうか。
一時、便槽の可能性も考えたが、土壌分析ではそうしたことを示す、寄生虫卵などは検出されなかった。何であろうか。
このほか、2間×2間総柱の櫓と見られる建物が要所にある。
これの現地説明会が今度の3/4(日)にある。島のため、船の準備があるので、予約で参加者を募っている。先着120名までとのこと。
予約は今治村上水軍博物館(089-774-1065)まで、電話で。予約開始は2月28日(火)10時から。
船は三便に分れ、一便:10:30発 二便:13:00分発 三便:14:30発
ふるってご参加を。
能島と鯛崎間の急潮、これサービス
これが方形大形土壙、その床と立ち上がり(断面)に黒色タールがべっとりと見えるでしょ
二の丸(廓Ⅱ)の地鎮め遺構、土師皿と赤旗は銭です