相続が開始すると、被相続人(亡くなった人)に属していた財産や権利及び義務は、相続人に承継されます。これは民法第897条に規定されています。


「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」

この条文には続きがあって、

「ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。」

と続いてます。

この「一身に専属したもの」とは何を指すのでしょう??

今回は、相続に含まれないこの「一身に専属したもの(=一身専属権)」について、概説します。

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一身専属権とは、その者(被相続人)のみに帰属し、その性質上承継したり移転したりすることが不可能又は不適当な権利義務の事を言います。

例えば、

・扶養請求権
・離婚請求権
・著作人格権
・代理権
・生活保護受給権
・雇用契約上の地位

など、人格や身分、給付を受ける権利など様々なものがあります。

こんなものもあります。
「公営住宅の使用権」

部屋を賃借して居住する、所謂不動産賃借権は、相続の対象になり得ます。

しかし、公営住宅を使用する権利は、相続の対象にはなりません。

(公営住宅法に基づく)公営住宅は、低所得者等に低廉な賃料で住宅を提供することで、国民の生活の安定や社会福祉の増進を図ることを目的とするもので、公営住宅法という法律や自治体の条例によって規定があります。

使用希望者は、この法律や条例の定める条件を満たすことで、使用する権利を付与される為、人の死によって当然に相続されるという性質の権利では無いため、一身専属権、つまり相続の対象にはならないとされています。
※ただし一部例外もあります。

このように、相続が開始した時に、被相続人に帰属する権利義務は、何でもかんでも相続されるのではなく、相続から除外されるものもあるのです。

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今回は、相続されない権利「一身専属権」について概説しました。

遺言や相続に関することって、知っているようで知らなかったり、曖昧だったりすることが意外と多いと思います。

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