【 佐藤看護師 】

40代男性、仕事をそつ無くこなし、周りからの評価は上々。

経験年数は15年、見た目は真面目。だが、認知症患者様、何度も同じことを訴える発達障害患者様には、辛辣な対応をする。夜勤で眠らない認知症患者様に対しては、車椅子に乗せたり、※寝ないなら起きていろ、的な。


或いは、ドアを施錠したりとやりたい放題。※患者様は閉じ込められるので更に不穏になる。

…その行動が問題視される時もある。


自分のルーティンを遂行することに価値を見出し、自分の流れを脅かす奴は誰であろうと許さない。


いわゆる、アスペルガー気質。他の病棟では間に合わず、行き着いた先がこの病棟という噂もある…ただ、看護師長をはじめ、この病棟にはそんな職員ばかり。…じゃあ、そんな病棟で働く私は何者なのよゴニョゴニョ…。


…。


夜勤で、時間が空いた時に話かけてみる。


私『 いずれは管理職とかになろうと思っていますか。管理職に興味はないのですか? 』


佐藤看護師『 私は、誰かの評価とかは気にしないので、穏やかに過ぎされば良いなと思っています。目指す人生像は、木村さんです。 』…知らないです。ま、話の流れ的にはポンコツ感が満載であることは間違いない。


私『 誰ですか? 』


佐藤看護師『 療養、回復期のに病棟に居る人で、年齢は50歳…ぐらいです。もともとこの病棟にも居ました。仕事もそれなりにやって、上手くやっているなぁって。 』


私『 その人は上手くやっていたのですね。 』


佐藤看護師『 あ、はい。上手にしていました。私は子どもかまだ小さいので、これで子育ても終わっているとかなら、じゃあ管理職を目指そうかなって、まだ考えるかも知れないですけど。 』


私『 色々な考えがありますから。 』


佐藤看護師『 逆にいかがですか?主任をしていたんですよ、ね。主任とか、すぐ成れそうですけど。 』


私『 私は体調面で管理夜勤ができないので、管理職は諦めています。体感的には出来るのですが、そこは損して得取れと言うか。 』


佐藤看護師『 夜勤は本来の身体の使い方ではありませんからね。この前の部長との話?相当やりあったと、話も広がっています。 』


私『 ま、でしょうね。実際にはもっとどす黒いやりとりがありました。貴方はこの病院で長く勤めようとは思っていないの?とか。 』


佐藤看護師『 それって、どういう意味ですか…。 』


などと、


話をして終わった。


…。


波風立てずに穏やかに?


自分が楽な仕事をする為に、見本となる看護師を出し( 既に前例を出すことで自分の選択は間違っていないと正当化する。 )、


あまつさえ、


子育てを理由にするなど愚劣の極み( 本当はできるし、やりたいけれど、それでも大事にしたい何かがあって、その中で自分は日々葛藤していると言うテイで、それを理由に自己満足に陥る思考。

 )。


…。


やる奴は、どんな状況でもやるというのに。逆に、やらない奴は、腹が痛いとか、今日は本調子ではないとか、雨だからとか向かい風だからとか、アイツ嫌いだからとか、都合の良い理由を並べ立てる。


引っ越しをして、看護部長から『 こんな病院に良く来てくれました。 』と、感謝され、親しまれている側なのに、


看護師長からも能力を評価されてきたのに、今では、その両者とバッチバチにやりあっている、家を購入し、二度と就職活動などしたくない、2児の父の私が居る。


…主任にすぐ成れる?大きな御世話じゃ、この程度の組織なら看護部長も容易いわ…なんて、言えない…。ま、実際にはそんな単純なものではないドス黒い巨塔。


…。


ここにも、また一人。


私の意にそぐわない輩を発見。


…。


本当は、穏便に過ごしたい。


安い給料ながらに、大自然の中で、娘二人の成長を見守りながら、穏やかに過ごしたいのです。地元に帰った余生は、堤防から釣り糸ぶら下げて終わり…が、理想だったのにっ!


…。


なので、


その日を迎える為に、私は突き進む。


結局は、全部を入れ替えないと駄目なのかなぁ。私の不徳のいたすところではあるが、


ま、それはそれ、その時はその時か。


仕方ないよなぁ。


などと。