炎天下、熱中症アラートが続く毎日。


空調管理された職場での業務を終え、


仕事の帰りに、近くのコンビニへコーヒーを買いに立ち寄る。


いつも通りのコーヒーを買い、値引きされているパンを買い、レジに並ぶ。


見たことのない若い女性が私を迎える。


『 いらっしゃいませ。 』


元気がよく、愛想も良い。


今時の無愛想な、よく見る若い連中とは違い、一生懸命さが伝わってくる。


私『 あ、あとファミチキもお願いします。 』と、ファミチキを追加注文してしまう1型糖尿病の私。


ポイントカードを出し、会計を待つ。


レジの作業中、


ふと、肌がとてつもなく白いことに気づく。


連日の祭りやら、地域の奉仕作業やら、釣り三昧やらで黒焦げになった、私の皮膚色とは雲泥の差だ。

よくある、引きこもり体質か?いやいや、バイトしてるし、慣れた感じだし、若い女性だからきっと日差しを避けているのだろう。それにしても白いな…どんな管理してるのだろう…。


そう思いながら、会計を待つ。


お釣りを受け取ろうとした際、


差し出された左手首、正しくは左上腕部に違和感を感じる。 


それは、


幾重にも連なる、


リストカット痕。


一回や二回ではない、恐らく10回はやっている…。


私は、


気付かないフリをしながら釣り銭を預かり、その店を後にする。


…。


通常、そういう傷は、


人目を避ける為に、暑い状況でも長袖を着たり、ファンデーションを厚めに塗ったり、絆創膏を貼ったりする。ま、それも分かり易いのだけれども。


重症例は、上腕部を切ったり、太ももやらを切り刻む。


それは、自分の生を確かめるために。本人達に言わせると、生きている証明…らしい。愚かな。


『 瀉血 』…などの患者様も居たなぁ。※検索はご注意下さい。グロいなどのレベルではありません。


コンビニエンスストアのその子は、


人目が気にならない程に乗り越えたのか、


或いは、


究極の構ってちゃんか。


その様な傷をつける本人が悪いのか、


その様な傷をつけさせる社会が悪いのか。


救われる命と、救われない命。


どっちがどっち、


どっちもどっち。


その闇は深すぎる、


そして、


その闇を受けるには、社会は未熟で、不十分過ぎる。


…などと。