BSCについて。 | 天使のココロ。

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天使にも堕天使にもなるけど、
いつも優しさのなかでいる自分でいたい。
そんなキモチを書いていきます。

…毎日のきらきら、なみだ、
それが大事なわたしの毎日です。

BSCとは、
Best supportive care =ベストサポーティブケアの略で、主にがん治療の場で使われる用語です。
がんに対して、手術や化学療法、放射線治療などの積極的な治療を選択せず、疼痛緩和や患者の希望する療養を支えることを指しています。

その患者は、初診で来院し、その日にStageⅣ、余命は1週間から2ヶ月と診断されました。
がんは、全身に転移しており、もはや治療の選択肢は、緩和ケアしかありませんでした。
患者からは、
「家に帰りたい」という言葉がきかれました。
しかし、90歳代のご家族に、患者の介護はとうてい無理です。
急遽、医師、看護師、家族、ソーシャルワーカー、担当のケアマネージャーとの相談しましたが、やはり在宅での療養は難しいとなり、入院しました。
治療方針は、BSCと看取りのための入院となりました。

できることなら、在宅で看取りをと何度も思いました。
しかし、がんの進行を遅らせることもできず。
在宅療養の環境調整もできない。
環境調整ができていない状態では、家族の疲弊も考えられ、ジレンマというのかひどく動揺した気持ちになりました。
BSCとは言うけれど、本当の意味ではないように思いました。

わたしにできたこと。
ご家族に、「いつでもお話がしたかったら、何かあったらここに来て話してください」と言うことでした。
入院後、毎日のようにご家族が来られるたびに、立ち寄ってくれます。
たいしたお話はできません。
ご挨拶だけのときもあります。
しかし、そのたびに「ありがとう」と言ってくださります。

前期課程では地域看護学講座に所属しました。
『住み慣れた地域で最期のときまで暮らす人々を支えるために』
それを学びました。
けれど、今回はそれを支えることができませんでした。
せめて、せめて最期のときまで、苦痛が少ない日々が、続くようにと願うだけなのです。