絵本barってなに? | 絵本で、安心して気持ちが話せる「場づくり」の担い手を育む

絵本で、安心して気持ちが話せる「場づくり」の担い手を育む

~絵本で、安心して気持ちが話せる場づくりの担い手を育む~
NSプロジェクト代表
絵本道®マイスター
更家 なおこ

絵本でbar・・・?

イメージがわかない方も多いと思うので

こんなストーリーを一つ

 

「いらっしゃい」

「あ、あの・・・ここって絵本を読んでもらえる?」

「そうですよ。あなたの気分に合った

絵本を選んで、お読みするbarです」

 

「あの、わたしだけでもいいんですか」

「はい、もちろん。さあ、そちらにどうぞ」

おずおずとソファに腰掛けると

マスターが穏やかなほほえみで迎えてくれます

その後ろには、ずらりと絵本が並んでいて

どれも見たことのないような、面白そうな絵本ばかり

(ここから選ぶのかしら?)

 

「最近、笑ったことって何かありますか」

そうですねー、とわたしが考えあぐねていると

マスターがやさしく話題を変えてくれました

 

「では、ちょっと悲しかったことってありますか」

「あ、それならあります」

「そうですか、良かったら少しお話を聞かせて

もらえますか」

「先日、並んでバスに乗ろうとしたら私の前の人の

目前で、ドアが閉まっちゃったんです」

「ほう、それは驚きますね」

「ええ、びっくりしてドアをコンコンとたたいたら

開けてくれて、すぐに乗れたんですけど」

「良かったですね」

「ところが、乗ったらすぐに前の人が運転手さんの

ところまで行って、大きな声でとがめたんです」

「よほど腹に据えかねていたんですかね」

マスターはふん、ふん、と静かに聞いてくれるので

話しやすくて、こちらも落ち着いて話ができます

 

「運転手さんも、間違えただけで悪気なかったし

誰でも間違うことはあると思います

あまりに感情的になって、責め続ける言葉を聞いて

わたし、なんだか悲しい気持ちになりました」

「そうでしたか・・・

誰でもちょっとした間違いや失敗は、

日々ありますよね

あなたはそれをとがめている様子を見て、

悲しい気持ちになったんですね」

「そうなんです、世の中ギスギスしてるなって」

 

「お話いただいて、ありがとうございます

では、こんな絵本はいかがでしょうか」

マスターは、後ろの棚から大事そうに

絵本を1冊選ぶと、丁寧に表紙を開いて

読み始めました

 

そう、これが絵本barです

棚に並んでいる絵本は、楽しいもの

ちょっとしみじみするもの、ほっとできるもの、など

大人が、絵本の世界に入ってもらえるような

品質の高い作品を厳選したものです。

さらに、エピソードを聞かせてもらうことで

その方が大切にしたい思いを、

少し感じ取れることになります。

 

解説すると

・少しくらい失敗することは、誰にでもある

 もちろん自分にもある

 お互いにとがめることで対立する関係より、

 穏やかに受け止められるやんわりした世の中で

 あって欲しい

マスターは、そんな思いを感じ取り

「くすっと笑える内容」ながら、主人公のちょっと

した間違いや勘違いがありつつも、一生懸命

生きている、生の楽しさが感じられる絵本を選びました

 

笑って、はらはらして、そして共感できたあとに

「みんなやさしくて、いいなー」としみじみ思える

絵本の世界

絵本barに置く絵本は、事前に仲間と共に読み解き、

「主題」を抽出しています

物語のあらすじだけでなく

「つまり、何を言いたい作品なのか」を理解した

上で、来ていただいた方も気付いていない心情に

合わせた絵本を読むことができる、これが

絵本barです。

わたしだけのために

わたしだけのことを考えて

選んでもらった絵本の世界を味わう

これぞ

大人が絵本を楽しむひととき

絵本bar

14日のイベントでもリクエストして

いただけます