BATTLE BEAST UNHOLY SAVIOR

 

2015年リリース 3作目

北欧パワーメタル(フィンランド)

 

 曲リスト

  1. Lionheart
  2. Unholy Savior
  3. I Want The World... And Everything In It
  4. Madness
  5. Sea of Dreams
  6. Speed and Danger
  7. Touch in the Night
  8. The Black Swordsman
  9. Hero's Quest
  10. Far Far Away
  11. Angel Cry
  12. Push It To The Limit(BONUS TRACK)
  13. Wild Child(JAPANEASE BONUS TRACK)

北欧フィンランドを代表するパワーメタルバンドの3作目。

2作目は1作目に比べて『MANOWAR』や『ACCEPT』などのクラシックHM要素が減少し、北欧テイストのキーボードサウンドが目立つようになったが、今作もクラシックHM要素が減少し、メロパワ寄りのサウンドになっている。

特にMVビデオも公開された7曲目「Touch in the Night」はポップ、ディスコミュージックテイストな曲で物議を醸した。

私もアルバムを聴く前は不安だったが、いざ聞いてみるとバラエティに富んでいて良いアルバムだと思えた。

今作も漫画『ベルセルク』を題材にした曲がある。

1曲目「Lionheart」は疾走メロパワ曲で、ライオンのように自由に生きることができるが愛は感じることができないという勇者の哀しみをテーマにした曲だ。

タイトルトラックの「Unholy Savior」はシンフォニックなイントロから始まるミドルテンポ曲だ。

歌詞は善悪が表裏一体であることをテーマにしている。

コーラスが熱く勇士溢れるエピックなメロパワ曲だ。

3曲目「I Want The World... And Everything In It」はアントン(Gt,Vo)のウド・ダークシュナイダー風の声が目立つアップテンポでポップな曲だ。

全てを奪い天国から盗み、地獄から褒賞を受ける主人公を歌っている。

ちなみに曲のタイトルは1983年公開の映画『スカーフェイス』主演のアル・パチーノの台詞が元ネタだ。

4曲目「Madness」はベルセルクについて歌った曲だ。

5曲目「Sea of Dreams」はノーラのパワフルでソフトな歌唱が堪能できるバラードだ。

6曲目「Speed and Danger」は前作収録「Fight, Kill, Die」のような疾走曲だ。

7曲目「Touch in the Night」は物議を醸したダンサンブルでポップな曲。

メタル要素が少なく『ABBA』などのポップバンドにありそうな曲だが、キャッチャーで印象に残る曲だ。

8曲目「The Black Swordsman」は1分程度のバラードだ。

タイトルから分かるようにこれもベルセルクについての曲だろう。

9曲目「Hero's Quest」はキーボードサウンドが主体のインストゥルメンタル。

『EQUILIBRIUM』っぽさを感じるエピックな曲だ。

10曲目「Far Far Away」は前人未踏の地へと飛び立つ、HMの救世主について歌った疾走曲だ。

11曲目の「Angel Cry」も5、8曲目同様ノーラの歌唱力を堪能できるバラードだ。

アルバムのラストに相応しい感動的な曲だ。

ボーナストラック「Push It To The Limit」は3曲目のタイトルの元ネタである映画『スカーフェイス』のサウンドトラック収録の曲をカバーしている。

このバンドのサウンドと見事にマッチしている。

日本盤ボーナストラックはアメリカのLAメタルバンド『W.A.S.P.』の2作目「THE LAST COMMAND」収録でシングルカットもされた『Wild Child』のカバー。

「Push It To The Limit」同様、この曲もバトルビーストの音楽性に非常にマッチしており、完成度の高いカバーとなっている。

今作を最高傑作とする人もいるが、正統派メタル要素が強い前作、前々作の方が好きだという人もいるだろう。

今作でバンドのリーダーであるアントンがメンバーとの不和で解雇、脱退し『Beast In Black』を結成することになる。

 

好きな曲ベスト3

Lionheart

Unholy Savior

Speed and Danger