クジラの彼
2007年2月発行 角川文庫
著者 有川浩
有川浩の七作目で国防に関わる人達の恋愛を描いた短編恋愛小説。
2005年~2007年まで雑誌『野生時代』に掲載された後に単行本化され同作者の作品のスピンオフ作品も収録した6編から成る恋愛短編集だ。
当初作者は国防に関わる人達のラブコメなのでタイトルを『国防ラブコメ』にしようと思ったが編集者に論され『クジラの彼』になったという。
作者は自衛隊に取材を行った際に自衛隊の恋愛物を書くと言ったら「自衛官も恋愛したり結婚したりする普通の人間なんだということを書いてやってください」と言われたようだ。
- クジラの彼
- ロールアウト
- 国防レンアイ
- 有能な彼女
- 脱柵エレジー
- ファイターパイロットの君
今作は自衛三部作『塩の街』『空の中』『海の底』のスピンオフ作品が収録されており、『クジラの彼』と『有能な彼女』は自衛隊三部作『海の底』の番外編で『ファイターパイロットの君』も三部作『空の中』の番外編になる。
この短編集の中で私は潜水艦乗りの冬原春臣と一般社会人の中峯聡子との遠距離恋愛を描いた『クジラの彼』が一番好きな話です。
自衛官の恋愛という一風変わった作品なので気になった人は是非読んでください。