RICHARD ANDERSSON'SPACE ODYSSEY 

EMBRACE THE GALAXY

 

2003年リリース 1作目

北欧ネオクラシカルメタル(スウェーデン)

 

 曲リスト

  1. Despair And Pain
  2. Embrace The Galaxy
  3. Emposium
  4. Entering The Dome
  5. The House With A Hundred Windows(Instrumental)
  6. Grand Opening
  7. Requime For A Dream
  8. Seduction Of Life
  9. A Perfect Day(Instrumental)
  10. The Pagamo Thrill(Instrumental)(Bonus Track For Japan)

1999年に『MAJESTIC』でデビューしたスウェーデンの超絶キーボーディスト、リチャード・アンダーソンによる3つ目のプロジェクトの1作目。リチャード及びメンバーが『イングウェイ・マルムスティーン』に強く影響を受けておりイングウェイや北欧アーティストの有名曲に似ているフレーズが少々入っており人によってはパクリに感じる賛否分かれる作品だ。

このバンドのキーボード担当にして中心人物のリチャードはテクニカルなキーボードプレイが特徴で同郷のイェンス・ヨハンソンを沸騰とさせる。1999年にイングウェイからオーディションオファーをもらいマイアミまで行ったが『MAJESTIC』に専念するためバンド入りはしなかった。(Ba)のマルセル・ヤコブもイングウェイとデモ・レコーディングやワールドツアー、アルバム「MARCHING OUT」のレコーディングに参加している。

本作はリチャードのネオクラシカル様式美なキーボードプレイがドラマティックで素晴らしいが(Vo)ニルス・パトリック・ヨハンソンのディオやデイヴィッド・カヴァデールを連想させる歌唱が本作の様式美サウンドにマッチしており、より魅力的にしている。ニルスはかなり実力派のシンガーだが当時は無名だったようだ。彼は後に『ASTRAL DOORS』や『CIVIL WAR』等で活躍することになる。

ちなみに元『YNGWIE MALMSTEEN』『AT VANCE』のマッツ・レヴィン(Vo)を起用しようとしたが上手くいかず、一時期は元『ROYAL HUNT』のD・Cクーパーも候補に挙がったが条件面で折り合わず断念したという。

1曲目「Despair And Pain」はイングウェイの「LIAR」や「RISING FORCE」『ABBA』の「Voulez-Vous」のフレーズが目立つ。

2曲目「Embrace The Galaxy」はリチャードが自身の妻について歌った曲で「彼女のためなら何でもすると言っているんだ。彼女のためなら宇宙だって手に入れて見せるさ。」という内容だ。

3曲目「Emposium」は後期『BLACK SABBATH』っぽい雰囲気のミッドテンポ曲。

4曲目「Entering The Dome」はリチャードが曲を書きマグニス(Gt)に送ったら「すっげー曲じゃないか」という反応をもらい、その翌日マグニスがスタジオに入り怒りをぶつけるような感じでレコーディングを行ったという。そのスタジオに入る様子をリチャードが曲のタイトルにしたという。

5曲目「The House With A Hundred Windows」はインストゥルメンタルだ。リチャードの家の近所にある城を曲のタイトルにしたという。

7曲目「Requime For A Dream」は『WHITESNAKE』や後期サバスが好きなら気に入るとリチャードは語る。

9曲目「A Perfect Day」はマグナスが深い感情を表現した曲で映画のサウンドトラックにありそうなインストゥルメンタルだ。

10曲目「The Pagamo Thrill」は日本盤ボーナストラックのインストゥルメンタル。パガニーニとモーツァルトをミックスしたような曲でタイトルもパガモ・スリルとなっている。

リチャードは幼いころからバッハやモーツァルト、ヴィヴァルディなどのクラシックを聴いて育ったようだ。

今作はニルスのダイナミックな歌唱とイングウェイのような様式美ネオクラシカルサウンドが楽しめる。

パクリを気にせずに聴けるイングウェイファン、様式美ネオクラシカルファンの人達なら満足できるアルバムだろう。ニルスファンにもオススメだ。

私はこのアルバムのニルスの歌唱が他の参加作品と比べ1番輝いており好きだ。

パクリフレーズがなかったらニルス参加作品のなかで1番好きなアルバムになっていただろう。

次回作

 

好きな曲ベスト3

Despair And Pain

Embrace The Galaxy

Entering The Dome