RAINBOW RITCHIE BLACKMORE'S RAINBOW
1975年リリース 1作目
邦題「銀嶺の覇者」
イングランドハードロック
曲リスト
- 銀嶺の覇者 Man on the Silver Mountain
- 自画像 Self Portrait
- 黒い羊 Black Sheep of the Family
- 虹をつかもう Catch the Rainbow
- へび使い Snake Charmer
- 王様の神殿 The Temple of the King
- もしもロックがきらいなら If You Don't Like Rock 'n' Roll
- 16世紀のグリーンスリーヴス Sixteenth Century Greensleeves
- Still I'm Sad
方向性の違いで『ディープ・パープル』を脱退したリッチー・ブラックモア(Gt)が結成したHR界の歴史に名を残すバンドのデビュー作。
『エルフ』の(Vo)にして死してなお神格化されることになるロニー・ジェイムズ・ディオが参加している時代の1作目でもある。
今作はUS出身のHRバンド『エルフ』との共作でリッチーとの出会いの経緯は『ディープ・パープル』のアメリカ国内ツアーの前座を務めていたことが発端である。
オープニング・ナンバーである「Man on the Silver Mountain」はミディアム・テンポの曲でこのバンドを代表する人気曲の1つである。
2曲目「Self Portrait」は初期の『クリーム』を沸騰とさせる曲だがリッチー自身はクリームを意識したわけではないそうだ。ちなみに『クリーム』とはイングランド出身のスリーピース・ロックバンドである。
3曲目「 Black Sheep of the Family 」はキャッチャーで明るいナンバーだ。
この曲には逸話があり、リッチーが『エルフ』のメンバーにこの曲をレコーディングしたいと言った時、「キミはディープ・パープルの黒い羊だったからだろ?」とからかわれたそうだ。黒い羊とは厄介者、もてあまし者といった意味があるがまさに「ディープ・パープル」脱退前のリッチーの立場を表わすのに相応しい言葉である。
4曲目「Catch the Rainbow」はリッチーのメロディアスなギター・フレーズが堪能できる美しい曲だ。
5曲目「Snake Charmer」はリッチーの親友がタイトルを考えディオがこのタイトルのイメージから歌詞を書いた曲でダイナミックなサウンドが楽しめる。
6曲目「The Temple of the King」は『健康のためのヨーガ』というTV番組で使われていた曲をヒントに作ったという哀愁を感じる曲だ。
7曲目「 If You Don't Like Rock 'n' Roll」はストレートなロックン・ロール曲だ。
8曲目「Sixteenth Century Greensleeves」についてリッチーは「16世紀のグリーンスリーヴスはシャーウッドの森に住むロビンフッドが作ったんだ。俺がある晩、ドアに行くと、弓矢で1枚の紙切れが止めてありその紙には「この曲をレコーディングしないとキミを撃つ!」と書いてあったんだ。だからレコーディングしたのさ。」と語っている。内容はヘンリー8世とその仲間達について書いた自分達で想像した物語だという。
ラストの「Still I'm Sad」はイングランド出身のロックバンド『ヤードバーズ』のカバー曲で完全なインストゥルメンタルにアレンジされている。ライブではヴォーカルを入れている。
今作はディオ在籍時代の中でも後の2作に比べ地味な感じがするが名盤であることに違いないので初期のレインボーサウンドが気になる人やディオファンに聴いてほしい。
ハードロックの中にクラシカルな要素を入れた名盤です。
好きな曲ベスト3
Man on the Silver Mountain
Snake Charmer
The Temple of the King