BLIND GUARDIAN SOMEWHERE FAR BEYOND
1992年リリース 4作目
ジャーマンメタル
曲リスト
- Time What Is Time
- Journey Through the Dark
- Black Chamber
- Theatre of Pain
- The Quest for Tanelorn
- Ashes to Ashes
- The Bard's Song-In The Forest
- The Bard's Song-The Hobbit
- The Piper's Calling
- Somewhere Far Beyond
- Spread Your Wings (BONUS TRACK)
- Trial by Fire (BONUS TRACK)
- Theatre of Pain (Classic Version)
ファンタジー世界などを題材にするドイツ産HMバンドの4作目にして名盤。
今作はそれぞれの宇宙から様々なバード(吟遊詩人)達がタイムマシーンのような物で集まりよりよい未来を作るためにお互いの物語を披露し合うというコンセプトになっている。ジャケットイラストはそのコンセプトを表わしている。
1曲目「Time What Is Time」は映画『ブレードランナー』を参考にした疾走曲。
アンドロイドに危機を感じ彼らを虐殺するようになった人間達を意志を持ったアンドロイドの視点から描いている。
2曲目「Journey Through the Dark」は人に乗り移ることのできるバードについて歌った疾走曲で、乗り移った人間の感覚を自分の物にする代わりに自分自身の感覚を失ってしまうバードが暗闇の中を旅し本来の自分を探すというストーリーだ。
音楽的には1作目の『Metal Church』に影響を受けたようだ。
3曲目「Black Chamber」はピアノを使った短い小曲で、古い化け物に取り憑かれてしまう男の話。男は化け物から逃れようと戦うが結局化け物に魂を奪われ死んでしまうという内容で米国のTV番組『ツイン・ピークス』に影響されできた曲だという。ピアノはこのバンドの(Vo)ハンズィ・キアシュの友人が弾いている。
4曲目「Theatre of Pain」は海岸が汚染されている地球に鯨やイルカを救うため未来から来たバードが彼らに話を聞き世界がいかに汚染されてくかを歌ったドラマチックなミドルテンポ曲。
5曲目「The Quest for Tanelorn」は『Helloween』、『Gamma ray』のカイ・ハンセン(Gt/Vo)との共作でカイはギターソロを弾いている。題材はマイケル・ムアコックのエターナル・チャンピオンシリーズで平穏の地を求めるチャンピオンの相棒のようなバードが歌っているという設定。
6曲目「Ashes to Ashes」は生者の国から死者の国へと魂を運ぶ渡し守の目について歌った疾走曲で、どこにも行けずただ生から死へと人々を渡すことしかできないことに飽いているという設定だ。
7、8曲目はそれぞれ2つのパートに分かれており7曲目「The Bard's Song-In The Forest」はバードの集会の終わりに年老いた賢いバードが語る曲で中世の曲やアイルランドのトラッドを思い起こさせる。
8曲目「The Hobbit」はトールキンの『指輪物語』の前日譚『ホビットの冒険』について歌った曲だ。
9曲目「The Piper's Calling」はスコティッシュ・バグパイプだけで演奏されており演奏してるのはハンズィの友人である。
タイトル曲「Somewhere Far Beyond」はスティーヴン・キングの小説『ダーク・タワー』に基づいたダーク・タワーを求める男の話でバグパイプやケルティック感が印象的な7:12秒ある疾走曲だ。
11、12曲目はカバー曲で「Spread Your Wings」は『QUEEN』のカバーでコーラスやクワイアなどこのバンドがいかに影響を受けたか分かる。
12曲目「Trial by Fire」はUKHMバンド『SATAN』のカバー。
今作は前作、5作目と共にバンドの最高傑作としてあげられることが多くブラガ初心者にもオススメのアルバムだ。
『Rhapsody』みたいなファンタジーメタルが好きな人にもオススメできる。
好きな曲ベスト3
Time What Is Time
Journey Through the Dark
Somewhere Far Beyond