迫るゴジラ新作「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」の公開に備えての歴代ゴジラシリーズ見返しとして

 

「ゴジラ×メガギラス G消滅作戦」

 

を見ました。

ゴジラミレニアムシリーズ第二作目ですね。

カッコいい。

 

 

昔見た時は正直かなり子供向けで微妙という印象だったのですが、久々に見てみたら確かに子供向けなんだろうなと思うもののちゃんと面白かったです!

 

 

ストーリーもちゃんとしてるし、特撮部分も面白いし。

CG合成はたまにあまり馴染んでない時がありますが2000年制作の映画である事を考えると仕方ないかな?と思います。

 

 

昔子供向けと思ったのは終盤のこのシーンの影響が大きいでしょうね^^;

 

 

今や俳優としてだけでなくTV番組司会者としても活躍中の谷原章介さんが本作は準主役的ポジションで出ています。

出てる事をすっかり忘れてたので驚きましたね。

演技が上手くて見応えがありましたし、良いキャラでした。

谷原章介さんが好きな方にもオススメです。

 

 

 

歴代ゴジラにおけるメカゴジラやスーパーXのような対ゴジラ用の超兵器がない代わりに本作に登場するのがマイクロブラックホール射出装置の「ディメンション・タイド」です。

カッコいいね。

これを人工衛星に取り付けて、宇宙からゴジラを狙撃してブラックホールで倒そうというのが本作の人類の目標であり、「G(ゴジラ)消滅作戦」です。

 

 

なので「メカゴジラとか出てくるのリアルじゃなくて好きじゃないんだよねー」という方には本作はオススメかもしれません。

 

(ゴジラと戦える)巨大ロボットを作るのと、マイクロブラックホール射出装置を作るのとで実際にはどちらが難しいのか分かりませんが、「リアルっぽい」と思ってもらいやすいのはマイクロブラックホール射出装置の方な気はします。

 

 

あと本作に出てくる怪獣メガギラスは巨大トンボなので、昆虫好きな人にもオススメかも。

 

 

それと本作はかつてゴジラに東京が破壊し尽くされ、大阪が日本の首都になってる設定ですので、大阪府民にウケが良いかもしれません(そうなのか?)。

 

 

ちなみに前作の「ゴジラ2000」とは全く繋がっていない別世界の話ですので、本作から見ても楽しめます。

 

(しかしゴジラ2000があの終わり方なのに本作がその続きじゃないのは驚きですね・・・それでは果たして2000の世界はあの後どうなったのか・・・。

人類はゴジラの気の向くままに蹂躙されるだけの立場になると考えるとゴジラVSデストロイアの世界の結末と同じと言えるでしょうか)

 

 

 

  以下、大まかなストーリーに沿った感想

 

 

冒頭、生身の歩兵部隊が「どんな生き物でも足首を狙えば倒せる!」と言って街を進攻するゴジラの足首に近づいて携行バズーカ砲で攻撃する作戦に挑みます。

本作のゴジラの強さがどの程度かは分からないにしろ、歴代ゴジラ(特に平成ゴジラかな?)がミサイルや戦車の砲撃を浴びまくりながらものともせず前進して来る光景を見慣れた身には

 

「無茶しやがって・・・×2000(ミレニアムシリーズだけに)」

 

くらいの印象が湧きまくりましたが、メカゴジラのような対ゴジラ用の超兵器もない本作の世界で国と国民を守るため生身で立ち向かってる訳ですから頭が上がりませんね。。

 

ここで主人公の女性隊員、辻森桐子(演:田中美里さん)の上官が戦死し、ゴジラへの復讐を胸に誓った彼女の戦いが本作のメインストーリーです。

 

 

秋葉原で少年達に魔法を見せる谷原章介演じる工藤元のシーン。

カレーを一瞬で完成させる魔法の正体はこの小型自律ロボットだと明かされ幻滅し去っていく子供達が描かれますが、

いやお前ら十分すぎるほど凄いだろこのロボット・・・!(しかも2000年でこの技術力と小型さなのを思うと尚の事)

 

と思いましたが、もしかしたら子供だから技術の凄さが分からなかっただけでなく、本作の世界は科学技術がだいぶ進んでる事の表現でもあるのかな?

マイクロブラックホール発射装置が開発されてるくらいですし。

最後の方にも技術が進んでる世界なのかな?と思える描写があるんですよね(後述)。

 

 

本作の1/3弱くらいは田舎の山中で行われた対ゴジラ用のマイクロブラックホール射出兵器の実験を偶然目撃してしまった少年視点を中心に進みます。

この最初は少年目線で進むところなんかも本作が子供向け色をだいぶ意識してそうだと思う一因ですね。

 

 

辻森桐子は誰にも言わない約束をさせて目撃者の少年を家へ帰しましたが、これは素直そうな子供だったから解放してもらえたけれどもし目撃者が大人だったら対ゴジラ作戦が終わるまで軟禁されたりしたんでしょうか・・・?

 

大人だったら情報漏洩のみならず機密情報を何処かに売り渡すとか、それをされたくなければ金を寄こせと揺すったりしてくるかもしれませんし・・・そもそも他国のスパイの可能性とか・・・

 

あるいは素直そうじゃない悪ガキだった場合でも同じく情報漏洩を恐れて軟禁・・・?

などとちょっと怖い想像をしてました。

 

 

そのブラックホール実験で歪んだ時空から現出した古代昆虫メガギラスの卵をそうと知らずに持ち帰ってしまう少年。

引っ越し先の東京で様子がおかしい卵を不気味がってゴミ捨て場に置き去ろうとするも、善良なる近所のおばさんによりゴミ出しの日を守るよう言われ失敗

(まさかおばさんもそれが後に渋谷を水の下に沈める事に繋がるとは夢にも思わないでしょう・・・)。

 

 

仕方なく少年は下水に卵を捨てます。

 

その際の卵が下水(側溝?)を流れて行くシーンが好きですねぇ。

ちゃんと下水内を卵の高さのアングルで撮ってくれます。

 

そして奥へと流れていく卵を反対方向からも撮って見せてくれる。

この一連のシーンが映像的にも見応えありますし、

「あ・・・あぁ~~~この卵、絶対にヤバい事になるぞ・・・!」

という不安感、不気味さも醸して来ました。

 

卵の放置場所がどこかの森の中とか崖の下とかじゃなく、人間の手の届かない、見えない下水世界へと渡っていくのもそこで何が起こるのか想像できなくて不気味で良いです。

 

 

そして時間が経って水中でなんか明らかにヤバい事になってるカットが挟まり、卵が大増殖してるっぽい事が分かります。

更に時間が経って卵を捨てた少年が路地裏の側溝から何故か水が噴出しているのを見て逃げ出すシーンも良かったですね。

 

「うわぁ、なんか分からんけど明らかにあの卵のせいっぽいぞ」

 

っていうのが分かりますし、水が噴き出してるのも不気味だし、思わず逃げ出す少年の恐怖も伝わりますし。

 

 

そしてやがて夜の都会にひっそり出現するメガヌロン(メガギラスの幼虫。ヤゴ)。

ここで人知れずメガヌロンに襲われるカップルのシーンがグロかった・・・。

体を勢いよく殴打されると同時に吹きかけられた?泥みたいなものを口からド派手にさながら血のように吐き出しながら死ぬというグロさですし、わざわざ見えないところに人体を引き摺り込むのも恐ろしいですし、そもそもグロいシーンがあると思ってなかったので大層ビビりましたし。

グロいのは苦手なので見返したくないシーンです。

 

 

怪獣による死者が多いゴジラシリーズですが、あんなグロい死に方が描かれる事って滅多にないのでは?

子供向け志向の強いと思われる本作でよくあのシーン入れたな・・・

ていうか本作は推奨年齢とか年齢制限とか一切ないですけど審査は大丈夫だったのか・・・

血のように吐き出してるだけで実際は泥(なのか?)だから大丈夫だったのでしょうか。

 

 

そして夜の都会でメガヌロン→メガニューラ(メガヌロンの成虫。トンボ)への羽化。

暗いネオンを背景に妖しく緑に光る眼を持つメガヌロンの羽化が不気味です。

 

 

畳まれてた羽を伸ばして乾かす昆虫らしい描写も良い。

ヤゴからトンボへの変態ですね。

 

 

夜空を飛ぶ巨大トンボ・メガニューラを目撃して流石にこの事態はヤバいと思った少年は桐子に全てを話します。

一瞬「省略されてるだけで最初は警察にかけあって、信じて貰えないところに桐子の耳に偶然その話が入って実験と目撃者の少年に心当たりがある彼女はその少年の話を聞くべく会いに行ったとかの流れがあったのかな」などと思いましたが、

そう言えばこの世界では対ゴジラ組織「Gグラスパー」の存在が一般にも知られているんでした。

なら最初から桐子たちの下へ情報を伝えられたんでしょうね。

 

そうなるといつでも卵の件を通報できた訳なので、そりゃあ少年も罪悪感はひとしおだよな・・・。

というかこの後の渋谷やらの被害の事を思うと、少年のメンタルが心配です。

自責の念で押し潰されやしなかっただろうか・・・。

 

 

グリフォンというカッコいい感じの飛行機で海に飛んだ桐子の真下からゴジラの背びれが出てくるシーン、良かったですね。

工藤元に渡されてた信号機弾は本来の用途(桐子が自分の居場所を知らせるため)にて終盤あたりで使われるのかなと思ってたらこんな早期に、ゴジラの背びれに撃ち込んでゴジラの位置を追尾するために使われる意外性となるほど感も良かった。

 

 

悪人面ゴジラですねぇー

カッコいい。

 

 

そして衝撃にして見所の渋谷水没!!

メガヌロンの破壊で止まらない水噴出で渋谷がこの姿に。

これは驚きましたし、画的にも良くて見入りましたねぇ~。

これ以降、渋谷が「渋谷湖」と呼ばれるのも非日常感があって好きです。

 

 

そして渋谷湖の探索!!これも見応えバッチリ!!

ほんの僅かな時間しか映らないのに水没した渋谷のミニチュアが精巧に造られていて凄いなぁと感心しきりです。

 

 

精巧すぎて店の看板のメニューすら薄っすら見えるもんな。。

水の感じや差し込む陽の光も綺麗です。

ミニチュアの良さと合わせて何回もループして見返してしまいました。

 

 

手で持てるサイズの小型探査船が渋谷湖を行くシーンも良い。

 

 

ビル壁面の室外機や看板まで細かく見える。。

 

 

水没した自転車なんかも細かくて。。

あとこの光が射してる感じも綺麗。。

 

 

問題の核心部分へ近づきます。

街頭とか車も細かく造られてて凄い。。

 

 

たまごーん。

卵、卵、卵。

メガヌロン大量繁殖の実態。

インパクトありました。

 

 

ちなみに上空と水中だけでなく、水のすぐ上の視点もあります。

こういう高さのカットも良い。。

 

 

画面奥を進む自衛隊のボート。

ミニチュアの水中映像と合わせてこういう視点もあることで、渋谷湖がより一層現実味を帯びてリアルに見えるのが良いですね。。

 

 

そしてゴジラとの会敵。

 

 

コックピット越しにゴジラが現れる構図も良かったです。

怖い。

 

 

同時刻、渋谷湖を調査する自衛隊員パートが衝撃でした。

 

 

隊員がボートで通り過ぎたビルの壁面をふと振り返ってみると・・・この状態!!

「うわあああああああああああああ!!」ってなりましたね。

虫が苦手な人にはキツいシーンかもしれません^^;

 

 

壁面にビッシリとくっついてるメガヌロン。

いるわいるわ。。

 

 

 

しかもこれは人を襲う巨大昆虫だと視聴者は分かっていますからね。

それが自分の通り過ぎたばかりの場所にこんな大量にいると思うと命の危機です。

しかも一斉に脱皮中。

 

 

発砲される中で羽化を終え飛び立ち始めるメガニューラ。

上から見た視点もビッシリ感が凄いね。。

あと何気に下の方のビル屋上の様子も細かくて見入ります。

 

 

一斉に飛び立ち、壁面にはヤゴの抜け殻が。うーん、虫って感じの画です。

ボート上にいる隊員達を襲いに来なかったのは良かった。

水上で逃げ場のない隊員達がこの大群に一方的に群がられて襲われてグロ死したりしたらトラウマシーンだったでしょう・・・

 

 

少し話が逸れますが、本作を見ていて

 

「もしかして自分の大好きな仮面ライダー龍騎に登場するシアゴーストやレイドラグーン達は本作のメガヌロンやメガニューラの影響を受けてたのかな?」

 

と思いました。

大量のヤゴ怪人が羽化しトンボ怪人になり画面を覆い尽くす敵になるというところが一致してるなと。

 

 

ただ最初は幼虫なので弱い→羽化すると飛翔能力を得て自在に飛び回る特性、となると、元の昆虫の知名度や人気も加味するとカブトムシやクワガタムシ、蝶やトンボあたりに限られそうですし、カブトムシやクワガタムシ、蝶の幼虫は戦闘能力がなさすぎる(しかもカブトムシはメガロ、蝶はモスラで登場済みのモチーフですし)でしょうから、ヤゴなトンボになるのは自然な一致だったのかもしれませんが。

 

(シアゴーストは体色が白く頭はツルッと丸く動きが鈍いのでカブトムシやクワガタムシの幼虫としても違和感なさそうですが、針を飛ばして人間を捕食する点はどちらかと言うとヤゴっぽいですし)

 

 

長くなったため続きを分割します

   ↓