これは2004年に、演奏家になりたい方たち向けに書いた
文章が偶然出てきたためブログに掲載してみました。

童話を探していて偶然見つけたのです!

 

演奏家を目指す方の参考になればよいのですが。。

 

 

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♪時間のバランス-コンサート活動と練習

 

音楽人生を歩む中で、いろいろな時間のバランスを考えたことは

あるでしょうか。

今回のテーマはコンサート活動と練習ですが、コンサート活動が

増えれば練習時間がなくなり、練習時間が少なければ良い演奏が

できなくなり仕事が減る、という悪循環にならないために、今日は

お話してみたいと思います。
 

仮に皆さんにコンサートが月3本入ったとします。3本ともプログラムが違うと大変ですが、曲目数とすれば2本分、つまり1つのコンサートは

他の2つのコンサートの曲でプログラムが組めるとします。

 

プログラムの曲数は1本が平均7分の曲、全曲10曲で、出入り休憩を入れ1時間30分のコンサートとした場合、2本分ですので20曲の練習が必要となってきます。

 

少し話しがそれますが、以前「プロの演奏家」と呼んでもらうには、すぐ演奏できる曲のストックが300曲あるのが良いと書きましたが、今までのもち曲が100曲あれば、今後練習しなければいけない曲が200曲、これを仮に1年で制覇したければ1ヶ月平均17曲となります。1ヶ月で曲は仕上がりませんので、仮に1曲3ヶ月かかれば、17曲全部取り組んだとしても、やはり3倍の3年はかかると言う事になります。

 

また先程の続きで言えば20曲の練習は、新しいものを17曲、古いものを3曲として猛練習が必要となります。「今は仕事を請け負ってコンサート当日まで何日あるか」という期間を考えていませんが、300曲たまるまではこのくらいのつもりで練習が必要ではないでしょうか。

 

またコンサートが最初に書いたように3本あれば、曲数は2本分ですが、やはり3つのコンサートプログラムとしての練習が必要となり、その時間もかかってきます。

 

さてコンサートまでの期間を考えず話を進めた場合、20曲を1回弾いただけで平均1曲7分ですので20曲×7分=140分、つまり2時間20分かかります。

 

1日1回などと言うことはありえず、小学生のように仮に1日7回弾いたとすれば、140分×7回=980分=16,3時間となり、これは不可能です。

 

プログラム内容を1日おきに練習するとすれば、この半分で約8時間の練習となりこれならまだ可能で、これが仮にコンサートまでに3ヶ月あれば、時間的にはそれほどに問題はないのではないでしょうか。

 

しかし実際は合わせや雑用に時間を取られ、1日6時間も練習できれば良いところかなと感じます。単に「弾ける曲を弾く、弾けるものから選曲する」のではプロと呼べません。

 

常に新しい曲に取り組み、先でお話しましたように、全曲で300曲を目指すなら、それを実際のコンサートに引っ掛けて新しい曲をどんどん練習してほしいところです。コンサートを見ているといつも同じ曲、半分は前のコンサートで使用した曲という演奏者も多々見かけます。

 

自分で目標の曲数を決め、今まで演奏した曲数を実際に数えて、自分にはあと何曲足りないか把握し、時間とともに計画を立ててほしいです。最初に書いた200曲弾きこなすことを目標としても、紙面上考えた場合でも今から3年はかかるのですから、実際はもっともっと時間がかかることは間違いないです。

 

今から計画を立て、来年からの目標にされてはいかがでしょうか。そして良いコンサート、良い演奏をすることが結果的に良い仕事をしたことなり、依頼の多い演奏者になるのだと思います。