こんな題で書くと、何と難しそうな!と思ってしまいますが、
今日はそんな難しい事ではなく、親の決めてしまっている「壁」と
いう意味でお話しします。
丁度春で、小さいお子様をお持ちの皆様も「何か習い事をお子様に」と
お考えの方も多いでしょう。そんな時の参考になればとも思います。
昨日はピアノのレッスンをしていたのですが、その中でA君という
男の子で、年長の春からピアノを始めた生徒さんがいます。
この春でピアノも約2年になり、現在1年生、この春で2年生です。
現在ドリームという楽譜の6を練習しており、これはピアノの基本
のドレミを習う段階の後半あたり、昔で言うバイエルの下巻の真中
あたりというところです。
話していると彼はとても面白く、想像性に優れており、年の割に
少し大人びています。きっと賢いのだと思います。そこで小さい
子供向けの曲をやらせるより、思い切って少し上の曲と思い、クレ
メンティという作曲家のソナチネを与えました。難しさで言うと今の
A君の学年より2~3学年上の楽譜です。
クレメンティ ソナチネ 36-3
※画面右下のYOU TUBEをクリックしてご覧ください。
子供向けの楽譜とは違い、♪がぎっしり詰まった感じの譜面で、最
初は無理かと思いながら、そのうちのほんの少し、8小節だけお試し
で宿題にしました。
宿題を出した次の週は、まあまあぼちぼち…という程度の弾き方だ
ったので、来週ダメだったら曲を変えようかと思っていました。そ
してとりあえず、だめでもともとと、その週は宿題の量をその3倍
ほど出してみました。
ところが今週になると、出した宿題全部を両手で弾いてきたのです。
つまり最初の8小節がけっこう弾けてきたため、面白くなったようで
先週出した後半の楽譜の方が難しいのですが、今までになく練習して
きたのです!!
最近マンネリ化で「このまま続くかな?」と思っていたのですが、
これがきっかけになったようで、随分練習したとの事でした。
そしてこのA君はお母様もピアノが大分弾ける方で、どうやら親子
で弾き合いをしたようです。
この時、このお母様の感覚では「この曲は小学校5年生ぐらいで弾い
た」というご自分の思い出があり、「1年生の子供には無理」と最初は
思われたようです。これは自分を基本としたイメージです。
しかしお母様も、ドリーム6をいやいややっていた時より
一生懸命練習している姿に驚かれたようです。ここが問題です。
大人の基準が子供に必ずしも合っているとは限らないのです。
A君の場合「彼の音楽的精神年齢と楽譜が合ったのだ」と私は思いま
した。子供は時として驚くような結果を出す時があります。子供の
実際年齢だけで、音楽を決めてはいけないのです。今までにもこんな
事が時々ありました。
それではもう1つ例を出しましょう。
やはり男の子で年長からピアノを習い、5年生の冬まで5年間もバイ
エル(初歩者の教則本)をやっていた、ピアノ大嫌いのB君が、
入室してきました。
長い間バイエルしかやっていなかったので、私はこれでは面白くない
だろうと思い、モーツアルトの1番やさしいソナタを宿題に与えまし
た。
ピアノ・ソナタ第16(15)番 ハ長調 第1楽章,K.545
※画面右下のYOU TUBEをクリックしてご覧ください。
同じ本(楽譜)をやり続けた飽きと、年齢と練習している楽譜があっ
ていないと考えたからです。
そして勢いで彼をその曲でコンクールに出場させたら、なんとコンクー
ルで入賞してしまった!という経験をしました。驚きです。
男の子って面白いですね。
この時も、彼のお母様は「信じられない」という感じで、「ピアノは大嫌
いと言っていたのに」と話されていましたが、私にはピアノが大嫌いに
は見えませんでした。親は子供を決めてはいけないのですね。
私は女の子2人の母親で、男の子を育てたことがありませんでしたが、
この事は2人の生徒さんを通して「男の子は集中したらすごい!」と
いう経験になりました。
そしてこれは女の子も同じですが、今ご紹介したA君、B君の2つの
例は音楽と精神年齢があっていたほうが良いという事と、より難しい
楽譜や演奏の場(コンクール等)を与えられたことで、集中力と根気、
向上心がまし、それらは結果的に脳を成長させたことになります。
先ほどのモーツアルトで入賞したB君は、中学3年生までピアノに
来ていましたが、サッカークラブにも所属し、成績も学年で1番でした。
音楽で伸ばされた能力は勉強にも役立ち、成績にも良い結果を残すと
いう事ではないでしょうか。
そしてピアノのコンクールに入賞した事が、彼を飛躍させるスイッチに
なったのです。ちなみにコンクール入賞は、私のところへピアノに来始め
て1年後の6年生の時でした。そして私のところに来た時、ピアノは5年
も習っていたのに、最初にご紹介したA君より少し上手程度だったのです。
何かスイッチが上手く入ると、子供は飛躍的に伸びてがんばります。
彼はコンクール入賞がきっかけで、「勉強も1番になりたい」と思ったよう
です。
本当に子供ってすごいと思います。最初はB君のお母様も「ピアノの
コンクールなんて無理むり」という感じだったのです。皆様も
子供の可能性を信じて、親の変な決めつけはやめましょう。

さらにピアノの練習も、親ががみがみ言うのではなく、一緒に励む、
一緒に楽しむという姿勢で取り組むだけでも、随分違うと思います。
その時親の関わり方がいやいやだったり、仕方なくやっている姿勢が
子供に悟られるとだめです。親も本当に楽しそうに、前向きな感じで
やっていれば、きっと子供も素晴らしく成長してくれると思います。
この春、親子で取り組めそうな事を、あなたもちょっと楽しみながら、
頑張ってみませんか?きっと良いお子様との思い出にもなりますよ。
今日はそんな難しい事ではなく、親の決めてしまっている「壁」と
いう意味でお話しします。
丁度春で、小さいお子様をお持ちの皆様も「何か習い事をお子様に」と
お考えの方も多いでしょう。そんな時の参考になればとも思います。
昨日はピアノのレッスンをしていたのですが、その中でA君という
男の子で、年長の春からピアノを始めた生徒さんがいます。
この春でピアノも約2年になり、現在1年生、この春で2年生です。
現在ドリームという楽譜の6を練習しており、これはピアノの基本
のドレミを習う段階の後半あたり、昔で言うバイエルの下巻の真中
あたりというところです。
話していると彼はとても面白く、想像性に優れており、年の割に
少し大人びています。きっと賢いのだと思います。そこで小さい
子供向けの曲をやらせるより、思い切って少し上の曲と思い、クレ
メンティという作曲家のソナチネを与えました。難しさで言うと今の
A君の学年より2~3学年上の楽譜です。
クレメンティ ソナチネ 36-3
※画面右下のYOU TUBEをクリックしてご覧ください。
子供向けの楽譜とは違い、♪がぎっしり詰まった感じの譜面で、最
初は無理かと思いながら、そのうちのほんの少し、8小節だけお試し
で宿題にしました。
宿題を出した次の週は、まあまあぼちぼち…という程度の弾き方だ
ったので、来週ダメだったら曲を変えようかと思っていました。そ
してとりあえず、だめでもともとと、その週は宿題の量をその3倍
ほど出してみました。
ところが今週になると、出した宿題全部を両手で弾いてきたのです。
つまり最初の8小節がけっこう弾けてきたため、面白くなったようで
先週出した後半の楽譜の方が難しいのですが、今までになく練習して
きたのです!!
最近マンネリ化で「このまま続くかな?」と思っていたのですが、
これがきっかけになったようで、随分練習したとの事でした。
そしてこのA君はお母様もピアノが大分弾ける方で、どうやら親子
で弾き合いをしたようです。
この時、このお母様の感覚では「この曲は小学校5年生ぐらいで弾い
た」というご自分の思い出があり、「1年生の子供には無理」と最初は
思われたようです。これは自分を基本としたイメージです。
しかしお母様も、ドリーム6をいやいややっていた時より
一生懸命練習している姿に驚かれたようです。ここが問題です。
大人の基準が子供に必ずしも合っているとは限らないのです。
A君の場合「彼の音楽的精神年齢と楽譜が合ったのだ」と私は思いま
した。子供は時として驚くような結果を出す時があります。子供の
実際年齢だけで、音楽を決めてはいけないのです。今までにもこんな
事が時々ありました。
それではもう1つ例を出しましょう。
やはり男の子で年長からピアノを習い、5年生の冬まで5年間もバイ
エル(初歩者の教則本)をやっていた、ピアノ大嫌いのB君が、
入室してきました。
長い間バイエルしかやっていなかったので、私はこれでは面白くない
だろうと思い、モーツアルトの1番やさしいソナタを宿題に与えまし
た。
ピアノ・ソナタ第16(15)番 ハ長調 第1楽章,K.545
※画面右下のYOU TUBEをクリックしてご覧ください。
同じ本(楽譜)をやり続けた飽きと、年齢と練習している楽譜があっ
ていないと考えたからです。
そして勢いで彼をその曲でコンクールに出場させたら、なんとコンクー
ルで入賞してしまった!という経験をしました。驚きです。
男の子って面白いですね。
この時も、彼のお母様は「信じられない」という感じで、「ピアノは大嫌
いと言っていたのに」と話されていましたが、私にはピアノが大嫌いに
は見えませんでした。親は子供を決めてはいけないのですね。
私は女の子2人の母親で、男の子を育てたことがありませんでしたが、
この事は2人の生徒さんを通して「男の子は集中したらすごい!」と
いう経験になりました。
そしてこれは女の子も同じですが、今ご紹介したA君、B君の2つの
例は音楽と精神年齢があっていたほうが良いという事と、より難しい
楽譜や演奏の場(コンクール等)を与えられたことで、集中力と根気、
向上心がまし、それらは結果的に脳を成長させたことになります。
先ほどのモーツアルトで入賞したB君は、中学3年生までピアノに
来ていましたが、サッカークラブにも所属し、成績も学年で1番でした。
音楽で伸ばされた能力は勉強にも役立ち、成績にも良い結果を残すと
いう事ではないでしょうか。
そしてピアノのコンクールに入賞した事が、彼を飛躍させるスイッチに
なったのです。ちなみにコンクール入賞は、私のところへピアノに来始め
て1年後の6年生の時でした。そして私のところに来た時、ピアノは5年
も習っていたのに、最初にご紹介したA君より少し上手程度だったのです。
何かスイッチが上手く入ると、子供は飛躍的に伸びてがんばります。
彼はコンクール入賞がきっかけで、「勉強も1番になりたい」と思ったよう
です。
本当に子供ってすごいと思います。最初はB君のお母様も「ピアノの
コンクールなんて無理むり」という感じだったのです。皆様も
子供の可能性を信じて、親の変な決めつけはやめましょう。

さらにピアノの練習も、親ががみがみ言うのではなく、一緒に励む、
一緒に楽しむという姿勢で取り組むだけでも、随分違うと思います。
その時親の関わり方がいやいやだったり、仕方なくやっている姿勢が
子供に悟られるとだめです。親も本当に楽しそうに、前向きな感じで
やっていれば、きっと子供も素晴らしく成長してくれると思います。
この春、親子で取り組めそうな事を、あなたもちょっと楽しみながら、
頑張ってみませんか?きっと良いお子様との思い出にもなりますよ。