このような契約類型において被害者的な立場にある者は、形式的には事業者になっているものの、その実態は消費者と同様であり、圧倒的な情報格差や交渉力の格差に起因する不利益・被害を受けているといった共通の実情があります。


このような場合い、事業者対事業者の対等の関係であり、自己責任,私的自治の問題であるとの一言で片付けてよいものかというのが問題提起の出発点です。


これらの場合、被害者的立場にある賃貸人は、消費者に近似する立場にあるのであって、いわば契約弱者②であるということができます。


契約当事者間に現実に情報の質および量並びに交渉力の格差が存在しているもにもかかわらず、事業者間の契約であるということで、安易に救済を拒み、不当な勧誘や不当な契約条項を追認してしまうことは、契約における正義の観点から是認できるものではないと考えます。


(続)

不動産のサブリース契約において、不動産業者が遊休地を保有するオーナーに対して、この遊休地に収

益物件を建築すれば、自社ないし提携する関連会社において一括借上げしてサブリースするので、オー

ナー①は、空き室や家賃滞納といった賃料収入減少リスクを避け、安定した賃料収入を得ることができ

る、相続税対策にもなるといった勧誘文言で契約締結をせまります。しかしながら、近時にサブリース契

約では、契約期間が2年程度ごとに区切られており、その更新時において賃料の見直しが求められるな

ど、サブリース業者のリスク負担をオーナーに転嫁するような、賃貸人に不利な状況等が数多く見られる

のです。その為、長期間の賃料収入を保証するという勧誘文言を信用して賃貸アパート等を建築したにも

かかわらず、建築時に設定した住宅ローンの返済にも苦慮し、最終的には不動産を手放さざるをえない

などの深刻なトラブル事例もみられます.


深刻化しているサブリース問題(1)

<消費者契約法の類推適用で契約弱者である賃貸人の保護を>


最高裁判所の判例にサブリース契約をめぐっての判例があります(平成15年10月21日。事件番号:平成12(受)573)。この事例では、サブリースを提案した会社が契約書に賃料引き下げについての規定がない状態で、賃料減額請求ができるかどうかが争点の一つとなり、サブリースを提案した会社側が勝訴することになりました。

過去には不動産サブリース契約にはそもそも借地借家法は適用されないとする議論もありましたが、一連の最高裁判決により、「契約形式が不動産に関する賃貸借契約である以上、借地借家を適用すべき」という結論はほぼ動かぬものとなったと評価されます。

現段階での問題は、不動産サブリース契約にも借地借家法の適用があることを前提に、具体的な同法の適用場面において、不動産サブリース契約の特殊性がどの程度考慮されるべきかという点にあると思われます。消費者契約において普遍的な考えである[契約弱者]の概念を入れて法的支援が可能かを論じてみます。

(続く)

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平成25年4月15日
日本不動産仲裁機構で取り組んでいました「サブリース問題」が衆議院予算委員会第一分科会で質疑されました。
  分科会委員:宮本岳志議員 参考人:日原政府参考人、松田政府参考人、森国務大臣
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