(つづき)




これまで何度も収容生活を送る中で、「次は無いから大丈夫」とか、「もう絶対にしない」と思っているだけで、


具体的な改善方法や対策について考えていなかったことが、今ここ「刑務所」に居る結果になっているのだと思いました。



結局、一日でも早く出所したいと、早く出ることを優先に考えていて、


気が付けば、収容生活よりも厳しい社会で挫折し、また同じ生活、ここ「刑務所」で生活する事になっています。




口で言うのは簡単ですが、現実はそんなに甘くありません。



それは、私自身、前刑で出所してから、家族の事、仕事の事、生活の事などの問題を抱え、


甘い考え方だった私は、社会の厳しさを、身をもって知りました。



そして、社会の厳しさに耐え切れず、また同じ過ちを犯してしまい、今の結果に至ります。


人生は綺麗事ではないと、思いました。

 



それ以外でも、地震や大雨などの影響で被害に遭われた方々が、一日でも早く復興をと願い、


一生懸命に活動をし、生きている姿を見て、


罪を犯しながらも、衣食住があり、仕事もあり、病気になれば薬をもらい、国から守られている自分が情けないです。



それを当たり前と思って生活をすることが、どれだけ罪のあることなのかと考えさせられました。


今はそれでいい、と思う人もいるかもしれませんが、社会はそんなに甘くありません。




私たち犯罪者も、社会に戻れば一人の社会人です。


家族がいる人は、その家族を養う為に、一生懸命に働いて、また、独り身であっても、自分の生活の為に仕事をして、生活を立て直さなければいけません。



だからこそ、今回の収容生活を最後に、上辺だけだったり、嘘の自分で本音を隠したりした生活を絶対にしない、と心に決めて、


ありのままの自分で、不安なことや心配なことを収容生活でしっかりと考えて、少しでも改善できることはして、



与えられた刑期の中で出来ることをするように、今、生活をしています。




後悔はしたくないので、これまで出来なかった、事件の被害者に被害弁済と謝罪ができたらと思い、


口だけではなくて、今、弁護士さんを通して実行しています。

 



皆さんと出逢えた気持ちが、私を色々なことに気づかせてくれました。


本当に、信じることが「元気」を生むと、教えてくれました。



人と比較しない、世間と比較しない、それが自分らしく生きられることだと教えてくれました。


生きていること、生かされていることに感謝することがどれだけ大変で、大切なことかに気づかせてくれました。




だからこそ、自分を信じて、どんなに辛くても、悔しくても、諦めずに前に進みます。


自分を変える為にも、努力し続けます。




「人は泣きながら生まれてきて、死ぬ時も必ず誰かを泣かせる。だから、生きている間くらいは、たくさん笑っていたい」。


今の私が大切にしていることです。