「国の補充的指示」権の法制化について ―33次地制調答申「第4-3-(1)」の論点整理 | 市民自治ノート - NPOまちぽっとから

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「国の補充的指示」権の法制化について ―33次地制調答申「第4-3-(1)」の論点整理

 

 標題は、今井照さんの論文である(月刊「自治総研」2024年3月号)。今井さんは論文の冒頭で要旨を次のようにまとめている。

 

<要旨>

 2023年12月21日、首相に手交された第33次地方制度調査会答申には、現在の地方自治制度を根幹から揺るがすような提言が含まれている。この答申は地方自治法に定められている自治体に対する国の関与の一般ルールとは別に、緊急時に各大臣が自治体に対して「指示」ができる「特例」措置の法制化を求めている。本来は個別法やそれに基づく政令で規定されなければならない自治体に対する国の関与について、国会に代わって各大臣が自治体に対して「指示」できるようにするというのである。その対象は自治事務を含めたすべての自治体の事務となっている。結果的に自治事務に対する国による代執行の可能性すら生み出すことになる。緊急時の定義も抽象的で、各大臣が閣議決定を経て判断することになる。

そもそもこれらはコロナ禍における失政の原因を「指揮命令系統」の機能不全に還元させた国の責任回避にあり、既にこの時点から国のミスリードが始まっている

 

長文であるが、ぜひ全を読んで頂きたい。

「国の補充的指示」権の法制化について(「月刊「自治総研」今井照」http://jichisoken.jp/publication/monthly/JILGO/2024/03/aimai2403.pdf

なお私も「まちぽっとリサーチ」に以下の拙文を掲載している。

「非常時は規定なくても国が指示を」 コロナ教訓 地方制度調査会答申案 (2023/11/10)

https://machi-pot.org/?p=4227