みなし応急仮設住宅」として提供されてきた「避難用住宅」を今年も無償で使用を許可するよう東京都知事に集団申請
小池東京都知事は当会との話し合いに応じてください (その2)(2回の連載)
鴨下祐也 (「ひなん生活をまもる会」)
(3)応急仮設住宅の打切りは、原発事故避難者の多くが望んでいる「長期・無償」の避難用住宅提供の要望に真っ向から反するものでした。
このため、当会の打切り対象の会員たちは、受入れ自治体である東京都知事に対し、2017(平成29)年4月以降も、旧みなし応急仮設住宅を無償で提供することを求め、住宅の一時使用許可の申請を行ってきました。
今年も、2019(平成31)年4月1日から1年間、住宅の一時使用許可の申請を行います。
住宅のなかには、すでに東京都が借り上げを終了した物件もあるようですが、この申請を機に東京都に再び借り上げていただき、その上で申請者に住宅の使用を許可していただきたいと思います。
(4)小池知事には、避難住宅の無償提供の打ち切りや強制退去を進めるのではなく、避難者受け入れ自治体の首長として、政府と福島県に対し、みなし応急仮設住宅の延長を求める私たち避難者の多数の声を伝え、応急仮設住宅の打ち切り撤回と提供再開を要望していただきたいと思います。
(5)また、いかなる理由であっても、私たち避難者団体と話し合うことなく、一方的に住宅提供の打ち切りや強制退去を行うことは、許されません。このことは、東京都が現在避難者向けに提供している都営住宅についても、当てはまります。
また、国家公務員宿舎において、福島県が避難者を退去させようとしていることについても、東京都は、避難者受入れ自治体として、訴訟・強制執行という手段を用いた強制的な退去をしないよう、福島県に冷静な対応を求めていく責務があると思います。
放射能汚染と未だ収束していない事故から免れるため、お母さんも子どもも、みんな必死の思いで避難しているのです。
避難者の意思に反して住宅からの退去を事実上強制すれば、強制立ち退きを原則として禁じている国際人権法や、避難者の意思に沿った政策形成を趣旨とする原発事故子ども・被災者支援法などに反することになります。
小池知事には、問題解決のため、当会との話し合いのテーブルについていただきたいのです。
(6)国や福島県が打ち切りを撤回するまでの間の措置として、東京都には、原発事故避難者に対し、東京都の独自施策(単独事業)によって避難住宅の無償提供を行っていただきたいと思います。
住宅の無償提供こそが、最も端的で抜本的な解決の方法です。
(7)福島第一原発事故から8年が過ぎ、区域外避難者に対するみなし仮設住宅の提供が打ち切られてまもなく2年になります。
一方で、原発事故由来の放射性物質セシウム137の半減期は30年に及びます。深刻な放射能汚染から逃れるには、避難を続けることが最善の方法です。
私たちの健康と生活を守ってきたのは避難住宅です。無償提供が打ち切られ、私たちは、家計が苦しくなるなか、辛うじて避難を続けている状態です。
だから、私たちは、無償の避難用住宅の提供再開を訴え続けています。東京都には、打ち切り撤回を訴える避難者を支えていただきたいと思います。そのためには、当事者である避難者団体の意見を聴き、協議することが必要だと思います。
東京都と避難者団体が互いに知恵を出し合って話し合えば、避難住宅問題の解決は可能なはずです。
小池知事には、当会との話し合いに応じてくださるよう、重ねてお願い申し上げます。 (了)
(たんぽぽ舎メルマガより転載)