19:37
千葉のばあちゃんに電話。子宮口1.5cmと伝える。
「まだまだこれからだね。がんばって。夜中でもいいから連絡ちょうだい。」と。
五島の爺じに電話。陣痛が始まったことを伝える。
「ほぉ~ん。生まれたら電話して。」
と意外とそっけない反応だった。
大村のばあちゃんには生まれてから伝えればいいとのことだったので、連絡しなかった。
20時、21時と1時間おきに助産師の伊藤さんがハルトの心音を聞きに来る。センサーをお腹に当てると、スピーカーからハルトの心臓の音が聞こえてくる。「赤ちゃんは元気ですよ。」とのこと。
お腹に手を当てて張り具合を確認している。
この頃から無言では痛みに耐えられなくなってきて、「うぅぅー」と唸って痛みに耐えている。痛みがきたら「フゥーーーー」と深呼吸して痛みを逃がすようにと指導を受ける。
ハハは高い声で「ふぅぅぅぅぅぅぅぅ」と言いながら痛みに耐える。
「もっと大きな痛みがドーンとくると早いんですけどね。破水したら早いかもしれませんよ。」と。これよりもっと痛くなるのか?!!!
22:00
チチがトイレに行きたくなる。が、陣痛が治まってから次の痛みがくるまでに1分くらいしかないので、なかなかトイレに行けない。
痛みはだんだん強くなってきて、痛みのピークでは「うぁうわぁぁん」と叫ぶようになってきた。
痛みが3~4分続き、1分休みといったペース。
チチは痛みに耐えている間ずっと腰をさすったり指圧したりしているが、この頃からどこをマッサージしても何をしても痛みがやわらぐ様子はなく、疲れてきたせいもあってだんだんマッサージが適当になる。
病院に来てから座る時間もなく立ちっぱなしで、お腹減ったけど食べ物を買いに行く時間もない。ハハが自分のために持ってきた水筒の麦茶を飲んで空腹をしのいだ。
助産師伊藤さんが痛みの間隔で少しでも休めるようにと、眠剤を3錠もってきてくれた。
リラックスできるように部屋の電気を暗くして出て行った。陣痛の時点で体力を使いすぎると、いざという時にいきむことができないので体力はなるべく温存しておくほうがいいと本にも書いてあった。
23:00
痛みが休まる回数が減ってきた。
3~4分の痛みの波があったあと、休みなしで次の痛みがくる。それを3~4回繰り返したあと、1~2分の休みがある。
その数分だけはスーっと静かになった。眠れているのかな。
静かになったと思っても、またすぐうなされるように覚醒して痛がりだす。
痛みのピークでは叫ぶだけでなく、ベッド柵をゆらしたり、掴んでいるチチの腕を振り回したりしている。
だんだんトイレががまんできなくなってきたので、ハハにトイレに行きたいと伝える。
トイレは病室についていて、隣の病室と共用になっている。
病室と病室の間にトイレがあり、両側にドアがついていてどちらの部屋からもトイレに入れる仕組みになっている。
トイレに入るためには何やらいろいろボタンを押してロックを解除したりしなければいけないようなので、痛みが治まっている間に頭の中でトイレに入る手順をシミュレーションし始める。
休みは1分程度しかないので、トイレに入るために手間取っている時間はない。時間との勝負だ。
頭のなかで何度もトイレに行くシミュレーションをした。
タイミングを見てハハが
「今いっていいよ。早く!」
とため息にも近い声でつぶやいた。
急いでトイレへ行くが、まだ終わらないうちに
「うぁぁぁん」
と叫び声がトイレまで聞こえてきた。
手早く手を洗ってあわててトイレを出た。
つづく
で終わってしまいます。

