ここ数年、V R(ヴァーチャルリアリティ)に関心があって、様々なVRを体験することにしている。
VRと言えば一般的には、ジェットコースターや高所恐怖体験といった絶叫もの、ガンダムやエヴァゲリオンなどのキャラクターもの、お化け屋敷などのホラーものが主流であるあが、私自身としては旅行体験やアドベンチャー体験、さらには幻想体験や神秘体験などの分野に関心がある。
先日、池袋にある旅行体験のできるVR施設に遊びに出かけた。VRを使って全世界各地の旅行体験ができるという趣向の施設で、この日はカリフォルニアの旅を体験してみた。
何の変哲もないオフィスビスのフロアーがちょうど飛行機の客室になっていて、そこのシート(ファーストクラスを模したもの)で寛ぎながらVR体験ができるといった凝った内容のものだった。
2時間ほどのコースで途中に食事(シャンパンやカクテルなどもオーダーできる)も出てきたりして、娯楽としてはなかなか楽しいものだった。
カリフォルニアの旅だったので、モッツレラチーズとアボガドのサラダ、ガンボのスープ、チキンのガーリックソテー、チョコレートケーキ、コーヒーだったが、これがニューヨークの旅ならばマンハッタンクラムチャウダー、シンガポールならばカオマンガイなどが出てくるのかもしれない。
今後はメジャーなコースだけでなく、南極ツアーやアマゾンツアーなどが登場すれば楽しいだろう。
このようにVRだけでなく、施設内の演出も細かい部分までなかなか凝っている。
VRでの旅行体験の良いところは、スケジュールなどの時間的な制約がない事や天候天気の悪影響を受けない事があるが、最大のメリットは「他の観光客による人混み」がない事だろう。
私が旅行をする時に一番のストレスに感じるものは、大勢の観光客による混雑である。もちろんその混雑を引き起こしてる人混みの一員に私自身も含まれる訳であるから、それに対して文句をたれるのは矛盾しているのだが、それでも感情的な不快感はどうすることもできない。
素晴らしい景色や街並みの旅情も、大勢の観光客のせいで台無しにある。これは誰でも経験する事だろう。
あしかがフラワーパークの藤の花、このテーマパークに訪れた体験のある方もいると思うが、ここの藤の花はとても素晴らしが、あまりの人混みにうんざりした人も多いのではないか。もちろん私自身もその一人である。
こんな場所でも静かに周りの人々に邪魔されないで情景を堪能できる。もちろん何かを食べたりお酒を飲んだり、好きな音楽を聴きながら体験できる。素晴らしいじゃないか!
こんなフラワーパークだけでなく、京都の情緒ある街並みや伊豆の河津桜(寒くない室内で鑑賞可能)、隅田川の花火大会(蒸し暑い野外ではなく鑑賞可能)などなど、その体験の可能性は広がっていく。
そしてこのようなVRはあくまでも架空のソフトなので、日本の美を全世界へ発信することもできる。
大陸的な大自然の雄大さはなくとも、風情溢れる情景や繊細な建築や街並みなど、たぶん観光資源としては最上のもので構成することが可能だろう。
そこにVR(視覚と聴覚)ではない、日本独特の味覚や嗅覚(日本の料理は何もVRで再現する必要はない)が加われば最高だろう。
そんな未来を想像すると、さらに楽しくなってくる。