今回の統一地方選挙から、選挙期間中にビラの配布が可能になった。新宿区議会議員選挙の場合は4000枚。
今まで選挙期間中の文書配布が禁じられていたこと自体おかしいし、4000枚という枚数制限があることも変だと思うが、それでも少しは改革の方向に前進したことは事実である。
ところで、選挙期間中は普段の活動時に比べて、レポート(ビラ)の受け取りが良い。
しかし、その内容が問題だ。
いつもは受け取ってもらえないような人々がこぞってビラを受け取りに来る。
そのほとんどが有権者ではなかったり、選挙とは無縁の人々なのだ。
たとえは、選挙区外の旅行者、外国人、とても選挙に行きそうにない若者など。
こちらも、あえてビラをもらいに来た人を無視するわけにもいかないので手渡しするが、たぶん総配布枚数の一割くらいは、その手の類の受け取りだろう。
例を上げたい。
あきらかに旅行者と思しき老夫婦。
「熊本から東京に遊びに来たけど、息子の出身大学の早稲田大学に行きたいけど道を教えて欲しい」
丁寧に道を教えると、手渡したビラに「東京に来た記念にサインをして欲しい」ときた。
まったく、まいるぜ。こっちは遊びじゃないんだから。
変な白人女性。
渡したビラをしげしげと眺めて、片言の日本語で話しかけてくる。
「ワタシ、コレヲカベ二ツケテ、イノリマス」
俺は政治家であって、宗教家ではないんだけどなぁ。
今は選挙活動をしてるんで、布教活動してるんじゃないんだけどなぁ。
あきらかに夜遠し呑んでたような若いカップル。遊びつかれた脱力系。
男はタンクトップにタトーが入った鼻ピアス、女はキャミソール風の恰好。
ビラを受け取ると、おもむろに絶叫した。
「ウォッホー、マジやばい、本物のリアル(のづケン)だ!」と叫んで、ポスターにあるような片手をあげた「走れ、のづケン)のポーズを取った。
そのわきで、キャミソール女が微笑みながら両手を合わせて、「コップン・クラープ」(タイ語で「ありがとう」の意味)とか言ってくる。
こんな調子で新宿区議選の票になってるのだろうか、まぁ、一票にもなってないな。
だけど、選挙の配布ビラは公費対象だし、選挙は祭りの側面もあるから仕方ないか、、、。