これは今朝、朝食を取りに入った神楽坂ガストのテーブルの状況。
「はじめてのふるさと納税」と題したパンフレットが置かれていた。もちろん内容は、ふるさと納税のメリットを解説した類のものだ。
民間企業にあっても、このようにふるさと納税のキャンペーンに加担(?)しているという現状。まったくまいったなぁ。
ご存じのとおり、新宿区のような都心部の自治体にとって、ふるさと納税の制度自体が住民税を減少させる脅威のものだ。
ふるさと納税で他の自治体にいくばくかの税収が移転することは、私たち都市部の自治体においては、もちろんのこと好ましくはない。
議会でも、この問題に関しては多くの議論が重ねられてきたが、単なる制度の批判~「ふるさと納税のような制度は、地方税の原則を揺るがすもので、けっして容認できない」とか、気休め的な意見~「特別区長会などを通じて、国に対しても是正を働きかける」とか、そんな程度の話でしか盛り上がっていかない。
何という敗北主義。
ふるさと納税が普及したら、新宿区の税収が減少することを前提として、どうにかして、これを最小限に食い止めるかという視点しかないのである。
もっと斬新な企画を展開して、逆に他の自治体からふるさと納税によって、新宿区へ住民税を呼び寄せるという発想が欠如しているのだ。
これでは、最初から勝負にならない。
ふるさと納税の制度は、確かに都市部の自治体を狙い撃ちした恣意的な悪政ではあるが、現状を受け入れるならば、これについてああだこうだと愚痴を言っても仕方がないだろう。
むしろ現状を認めた上で、前向きな展開を考えていった方が得策だろう。
私個人は、この問題、発想を逆転させて挑めば、うまくいくと思うのだが。