これは以前もマクドナルドの例を引き合いに出して書いたことであるが、どうもマクドナルドだけではないようだ。

 

 数日前に朝の活動を終えて、吉野家で朝食を取った。別に牛丼は好きなメニューではないが、ごはんとみそ汁が欲しい気分の時もある。

 そこでの発見だ。

 

 明太子定食のセットに鮭を付けようとしたところ、店員に「それならば、明太子鮭定食があります」と勧められた。

 なるほど、その内容と価格を検討すると、ただの明太子定食に鮭をトッピングした場合とことなるのである。

 具体的には、明太子鮭定食の場合とトッピングの場合とでは、価格は同じなのだが、トッピングの場合には「お新香」がついており、これを別に注文するといくらかのお金が加算される。

 つまりは、「明太子鮭定食」の場合よりも、「明太子定食」に鮭をトッピングした方が、消費者としてはお得なのである。

 

 このことを店員に指摘すると、このようなオーダーの仕方で状況が変わってくることすら知らない様子で、そのことに驚いていた。

 それでいながら、日々の業務では消費者に損な方の「明太子鮭定食」を進めているのでるから、不思議な話だろう。

 

 私たちは一般的に,セットメニューはお得という刷り込みがあるから、ぼんやりしていると損な方を選択してしまいがちだ。

 まったく酷い話ではないか。

 

 数十円やそこらの損得を考えることなど、みみっちいと思われる方々も多いであろうが、これは一事が万事のことだ。

 すべての政策決定や個人の選択において、知らず知らずに損な選択に追いやられるという、この世の中の理不尽には気を付けた方が良い。

 

 それにしても、この話。オーダーの仕方によって価格や内容が変化するという、チェーン店(そのほとんどはシステム化された大企業だろうに)のメニューは不思議なものだ。