9月の長雨という言葉もあるが、このところ雨の日が多い。しかもそれが台風だったりするから、とても始末におえない。
こんな時は、さして活動をすることもなく、余暇で一日を過ごすことが、ままある。
手持無沙汰で、何とももったいない時間の使い方だが、天候についてはどうしようもないので諦める他はない。
せっかくの休日、好きなことをして過ごせば良いのだが、自分自身とりたてて、何かをやりたいということもない。ぷらりと旅行などは良いのだろうが、いかんせん、悪天候のもとでの旅出は気が重たい。
仕方がないから、美術館でも行こうと、先日、吉祥寺にある武蔵野市立吉祥寺美術館へ、「小林かいち」展を観に行った。
小林かいちは、大正から昭和初期にかけてのイラストレーター(?)、版画家(?)なのだが、ここ最近になって竹下夢二とともに注目されてきた作家だ。
関東大震災から満州事変までの、いわゆるモガ、モボが闊歩する文化華やかりし時代の作家だ。
谷崎潤一郎が小説の中で、「毒々しくあくどい」」と評される、小林かいちの作品だが、実際は抒情豊かで、むしろ繊細な感じのする作品だろうと感じる。
当時の美的感覚と現代の美的感覚の違いなのか。
武蔵野市が運営する美術館なので、入場料も100円(これは安い!)でお得なので、暇な方がぜひお勧めします。