政治的いやがらせシリーズ、今回はきわめつけの高度な政治的いやがらせである。

 それは「制度を悪用した政治的ないやがらせ」である。


 政治の世界には様々な諸制度が存在する。それをうまく悪用したものである。

 民事裁判であるならば、隣の犬の鳴き声がうるさくてノイローゼになったという話でも損害賠償の請求をおこすことが可能だ。

 裁判に勝つ負けるはともかくとして、裁判沙汰になったという事実は残る。イメージは悪いし、無駄な時間と労力を奪われる。これの政治版だと考えてほしい。


 たとえば住民監査請求という制度がある。これは行政が不適切な支出を行っていないかを市民の側からチェックするための方法だ。これを悪用しての政治的いやがらせにあったこともある。

 かなり前の話だが、会派の議員団とタイ国のプーケットの津波の被害と防災対策についての視察を実施したことがあった。往復の旅費は政務活動費(その当時は政務調査費といっていた)をあてた。

 これが住民監査請求の対象としてやり玉にあげられた。海外に遊びに出かけたことに政務活動費を使ったというわけだ。

 幸いに視察自体は真面目に行い、現地の行政当局の資料なども集めて報告書にもまとめたので、結果としては不適切な支出ということにはならなかったが、「政務活動費の活用について住民監査請求を受けた」という事実だけを流布されると、イメージを損ないかねない。何か悪いことをしたのではとの疑念を持たれてしまうのだ。

 そしてこの時も、「区民の良識なんたら」という誹謗中傷ビラが大量に配布された。つまりは政治的いやがらせである。

 こんな苦い経験をしてか、現在では政務活動費については区政レポートの印刷や配布といった広報費以外の支出は一切やめている。


 また最近ではこんなこともあった。新宿区には新宿区議会政治倫理条例というものがある。その中でセクハラや人権侵害などの不当な行為を議員が行った場合は、区民に限らず政治倫理審査会に訴えることができるとされている。

 またしても、これに「人権侵害」のかどで訴えられたのだ。内容は適応障害という精神疾患を持っているが、「のづ議員のポスターを街中で目にすると病状が悪化する」とかいうバカバカしいものだ。当たり前の話であるが、何ら問題とはならなかったのだが、とても迷惑な話だ。

 こんな案件はまともに取り上げなければ良いものだが、役所というところは一応は対応するものだ。

 これにしても具体的な内容をよく知らない人々からすれば、のづ議員が人権侵害について政治倫理条例で訴えられたという事実だけでのイメージが先行してしまう。(私以外にも同僚の議員が同様にセクハラ云々で人権侵害と訴えられた、もちろん事実無根で問題なしだったが、、)

 そしてこの時も私を訴えた人物は、政治関係者(他区でみんなの党公認で選挙に落選した者、また逆恨みも御免なので匿名にしておきたい)であったのだ。


 このようなことを選挙前に仕掛けられたら、たとえ事実無根、荒唐無稽な内容で、結果的には何の問題もないとしても、イメージ的には大きなマイナスである。

 誠に困った政治的いやがらせである。