よく耳にする言い草に、「釣った魚には餌をやらぬ」という言葉がある。

 これは主に、男性が女性を口説くときの話、自分のものにするまでは、セッセと大切にするが、自分のものにしてしまえば横柄で冷たいということだ。

 またこの言い回しは、なにも男女の仲だけでなく、営業の新規開拓やある種の人脈獲得など、さらには政治的な駆け引きや勢力拡大などの際にも使われることもある。

 

 今日、あるところでそんな話題になった。


 多くの人々は、「餌をやらない」派なのだろうが、自分は「大いに餌をやる」派だ。


 そもそも釣り上げていない(成果の未確定な)ものに、無駄な餌(利益)を垂れ流すのことは虚しいではないか。いつ何時、どこかへ逃げていくかもしれないのだ。

 それに対して、釣り上げた魚というのは、もうすでに自分の水槽の中にいるのだから、どんどん美味しい餌を与えたって惜しくはない。良い餌で元気に育って欲しいものだ。

 このように考えるのが理にかなっているように思うのだか、、、、。


 だいたい「釣った魚には餌をやらぬ」とは、何ともさもしいではないか。

 これは、なけなしの餌(少ないお金、時間、愛情、誠意、能力などなど)で、魚を釣ろうとしているから起こる現象なのだろう。


 人生はゆったりといきたいものだ。