「最悪」というタイトルは凄くないだろうか。そして内容、物語の展開も最悪というにふさわしい。
「最悪」 奥田英朗作
俗に言うところの、ベストセラー作家の傑作というやつだ。
このブログでもいろいろと紹介してきたが、ここ数年は巷で流行っている作品を、なるべく読もうと心がけている。
現代社会や世相の参考にもなるし、たとえ同時代的な共感を感じることはなくても、現代を生きる人減群像を捉えることができるだろう。
なにも、私が三島由紀夫やトーマス・マンについて語らなくてもよいだろう。
最悪とは何か。まさに予期されぬ不運だ。
私たちが営む平凡な日常生活が、いかにささいな食い違いや歯車の狂いによって、いとも簡単に崩壊させられるかという、まことに現代的なテーマだ。
このテーマでの彼の作品には「無理」というやつもある。これも面白い。
それにしても現代とは不確実性の時代だ。