多くの人々が健康を気にして、少しでも長生きしたいと望むことは、当たり前の人間の持つ欲求ではあるが、それにしても何故にこの欲求は生まれるのだろうか。

 生に対する執着と言えばそれまでであるが、ようするに人生に対する未練が有り余るということだろう。

幼い子供が遊園地の帰り際に、もっと遊びたいと駄々をこねるのと似ていなくもない。

 さんざん美味しいものを食べ、さんざん遊んでいながら、もっと何か特別誂えの楽しみがあるかのような心名残惜しい気持ちだろう。

 それだけ現代社会というものは、人々の過度な欲望を刺激する装置に満ち溢れているのか。

 とまあ、ここまでは批判的な書き方をしたが、私自身がこのような思いから解放されていないのも事実である。もっと人生を謳歌したい。だから健康でありたい。私もこのように思うのだ。

 悲しいものだ。


 だが、このような欲求不満こそが、健康にとっての最大の敵なのだ。

 身体と心は深くつながっている。

 人間は、本来自分自身の内なる力で、様々な病魔を撃退して、健康を回復できるのだ。

 健康を害する大きな原因は、免疫力、つまり自然治癒力の低下にあるのだ。

 免疫力、自然治癒力を低下させるもとは、過度な疲労、不規則な生活習慣、そして何よりも「ストレス」である。

 私たちの健康にとって、ストレス以上の悪害はない。


 最大の財産(と思われている)である健康のためにも、毎日心静かに朗らかに生きたいものだ。