「族長の秋」   ガブリエル・ガルシア・マルケス作    集英社文庫


 タイトルの通り、中南米の独裁者、孤独な大統領を描いた作品だ。

 主人公の内面や心理描写、はたまた観念的なテーマはさておき、この地方の情景の描写が、なにぶんにも心に残る。強烈なイメージは、香りや匂いまでも想起させるほどだ。


 そして、今私はデヴィット・ボウイの「ジギー・スターダスト」を聴きながら、この文庫本を読んでいる。それにしても、ちぐはぐな取り合わせだろう。


 対は調和。

 新鮮な美学を生み出す。


 そういえば昨日、ファッション関係のフリーペーパーを作っているという若い女性に出会った。

 色白の彼女はロシアの血が入っているクオーターと言っていた。

 美しい人だった。