人間の持つ心理的な要因から、どうしても利食いが早くなり損切が遅くなることについては、前回までに詳しく書いていった。
それではどうしたらよいのか?
まず一つは、そのような心理的な傾向を認めつつも鋼鉄のような精神力を発揮して、自らの定めた規律により機械的なトレードを心がけるということだ。
しかし、これには相当のストレスと心理的な葛藤を伴う。
人間は心(トレードの場合は「欲」と「恐怖」だが、、)を持った生物である。コンピュータのプログラムのようには事は運ばないものだ。
それではなおさらのこと、どうしたらよいのか?
私は、このような心理的な傾向を認めつつも、資金配分に徹する道を選んでいる。
ある程度の心理的な壁は仕方のないことと割り切って、なるべく利食いと損切りのタイミングには気をつけるようにしている。
この間違った心理的な傾向にあって、どうにか頑張るためにこそ、資金配分、段階的な仕掛けが必要なのである。
たとえばナンピンにしても、あらかじめ想定していた買いをいたずらに増やしていくのではなく、最初に仕掛けるときに想定の三分の一、ないし四分の一から入っていく、トレードが逆行した場合は、段階的にトレードを仕掛けていく、これによって被害のいくらかは防げるものである。
しかしこの方法だと、なかなか想定していた分量のトレードを仕掛けることができない。つまりは「機会の損失」に見舞われるわけだ。
損切をしたくない。この当たり前の心理を認めながら、その損失を最小にしていくためには仕方のないことだ。