たまたま東京都知事選のからみで、小泉元総理の演説を聞く時間があった。


 年齢や時の移り変わりを感じさせない、彼の演説の迫力には脱帽した。

 話の内容はともかくとして、なぜあのように場を湧き立たせて人々を惹きつける演説ができるのだろうかについて、よくよく考えてみた。


 話や身振りの演出テクニックなどもあろうが、やはり「彼が本音を語っている」からだろう。


 嘘や建前、またはどうでもよい話をしている時は、そのエネルギーは相手には伝わらない。ましてや大多数の聴衆への伝播力など得ようはずもない。


 心から話したいこと、その思いを隠さず語っているから、その演説には力が生まれるのだろう。



 単純な話だ。人の反応を気にして曖昧で無難な演説をするくらいならば、まだ朗らかな笑顔を振りまきながら、自分の名前を連呼して売名活動をしていた方がましということだろう。


 そして政治は何よりも真実を語ることが大切だ。