今日はたまたま池袋駅で都知事選の街頭演説で小泉元首相の細川氏への応援演説を聞く機会があった。原発ゼロに関連して、彼は「原発ゼロの代案がないから無責任だと批判されていますが、この代案は日本国民の英知を結集していけば必ず解決する」と力説していた。

 また「かつてプラザ合意で円高が進行した時、1ドル100円になったら日本経済は壊滅すると言われていたが、今では1ドル100円程度が適切とか言っている」、「不可能を可能にしていくことこそが、未来へ向けての夢であり希望だ」とも訴えていた。


 この演説を聞いてみて、あらためて感じたこと。


 原発の良し悪しの議論(私は基本的には原発反対ですが)は置いといて、まず感じたことは「原発ゼロという目標は、そんなにハードルが高い不可能な目標なのか」ということだ。


 それではあなたの代案は?


 そもそも原発の依存度は30%そこそことされている。それならば自然エネルギーの開発云々の前に、日本国全体で30%の省エネを達成すれば、それで解決するというだけの話ではないか。

 それでなくても日本の社会全体が、モノについても生活スタイルについても、何から何まで過剰なのだ。30%くらいのエネルギーの無駄をなくしていくことなど、そんなに大きな問題ではないと思う。

 3・11直後の頃を思い出してほしい。夜の街は暗く、人出は少なかったが、それでも猛烈に悲惨な状況ではなかったように思い出される。

 

 石油や天然ガスを輸入に頼っている状況では電力生産コストが割高になるといっても、これから到来する高齢化社会における社会保障のコスト増に比べれば、そんなに壊滅的な数字であるはずもない。

日本の国はどこかの新興国のように、これから国内産業を飛躍的に発展させなければならないわけじゃない。

 しかも人口だって減少していくのだ。工場だって海外に移転していくのだ。そんな環境の中で、将来にわたって電力消費が増大していくはずがないではないか。

 要するに、やるかやらないかの問題なのだ。

 「やるかやらないか」であって「やれるかやれないか」ではない。